#歴史 タグ 記事一覧
竪琴にロバ:ラテン語格言のお話(野津寛)| 2025.06.26
(第17回)音楽のラテン語とラテン語格言:Mūsica est exercitium arithmēticae occultum nescientis sē numerāre animī /音楽とは, 自分が数えていることを知らない精神の隠された数学の訓練である
音楽に関するラテン語の引用句の中でも私が最初に思い出すのは, 表題に掲げた哲学者・数学者 G. W. ライプニッツ(Gottfried Wilhelm Leibniz, 1646-1716)によるこの[……]
竪琴にロバ:ラテン語格言のお話(野津寛)| 2025.04.24
(第16回)ワインと真実の親密な関係:in vīnō vēritās/ワインの中に真実がある(第2部)
『オデュッセイア』における「ワインと真実」
前回のエッセー(第15回)では, ホメーロス『オデュッセイア』の英雄オデュッセウスが, パイアーケス人たちの王アルキノオスの宮殿で開かれた宴会の場面におい[……]
竪琴にロバ:ラテン語格言のお話(野津寛)| 2025.03.31
(第15回)ワインと真実の微妙な関係:in vīnō vēritās/ワインの中に真実がある(第1部)
表題に掲げたラテン語の格言は, おそらく誰もが知っている, 最も有名なラテン語格言のひとつでしょう. まずは簡単に文法をおさらいしておきましょう.
in は奪格と共に使われる前置詞(〜に, 〜の[……]
竪琴にロバ:ラテン語格言のお話(野津寛)| 2025.01.21
(第13回)墓碑銘のラテン語(エレジー, エピタフ, エピグラム):HIC EGO QUI IACEO TENERORUM LUSOR AMORUM/ここに眠る私は, ささやかな恋の詩に戯れた者
エレジー
詩のジャンルをあらわす名称のひとつにエレジー elegy というものがあります. この英語の名称の起源は, 究極的には, 古代ギリシア語の ἐλεγεία (elegeia)に遡るものです[……]
竪琴にロバ:ラテン語格言のお話(野津寛)| 2024.10.23
(第12回)格言は旅をする:Nosce tē ipsum. Nē quid nimis. Spondē, noxa praestō est/汝自身を知れ. 度を越すなかれ. 誓約と破滅は紙ひとえ.
ラテン語で伝わる格言も, 元はと言えば多くの場合, それより古い古代ギリシア語の格言だったということについては, この連載の中で何度も述べてきました. 一方で, ギリシア語の格言がラテン語に訳され, [……]
一冊散策| 2024.10.02
『栄光の松竹歌劇団史—憧れの星座たちが歩んだ軌跡』(著:小針侑起)
あとがき
私は一九八七(昭和六二)年生まれなので、実際の国際劇場はおろか日劇も見たことがない。なんとか閉場間際の新宿コマ劇場やシアターアプルには何度か足を運ぶことができた程度である。
しかし、[……]
竪琴にロバ:ラテン語格言のお話(野津寛)| 2024.09.24
(第11回)ヨーロッパの街でラテン語散策:オックスフォード Dominus illuminātiō mea/主はわたしの光
ヨーロッパの目印
「英国は欧州連合(EU)を脱退しても相変わらずヨーロッパなのですか」とお尋ねになる方もあるかもしれません. それでもやはり, 英国はヨーロッパだとお答えしたいと思います. というの[……]