末筆ながら、貴社の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
Ash, E., Shukla, S. and Sockin, J.(2025) “Interviews,” CEPR Discussion Paper, 20793.
$\def\t#1{\text{#1}}\def\dfrac#1#2{\displaystyle\frac{#1}{#2}}$
北川梨津
はじめに
「ごめん。そのままだと落とすけど、どうする?」という刺激的なフレーズを SNS で見かけた人は少なくないだろう。これは、ある総合人材サービス企業グループの新卒採用責任者が取り上げられた、とあるウェブメディアのインタビュー記事において、見出し写真のキャプションとして用いられた言葉である。記事中では、その採用責任者が面接で用いることのある質問の一例として紹介されていた。記事は 2020 年に公開され、当時の Twitter (現在の X) を中心に多くの批判を集め、いわゆる「炎上」と呼ばれる様相を呈した。批判の中には、「学生を下に見ている」「圧迫面接だ」といった指摘のほか、「この人事は勘違いしている」という厳しい声も見られた1)。
件のフレーズの是非は措くとして、それが炎上してしまったという事実が示唆しているのは、採用面接において評価の対象となっているのは候補者だけではなく、面接官もまた候補者によって評価されているということである。実際、批判の中には「ごめん。入社する気ないけど、どうする?」というような声もあった。そもそも、英語の interview (面接) という語は、フランス語の entrevue に由来し、「互い (inter-) に見る (view)」といった意味を含んでいる。つまり、面接とは、本来、企業が候補者を一方的に見定める場ではなく、候補者と企業が互いを見極める場であるともいえる。採用候補者を覗くとき、採用候補者もまたこちらを覗いている、ということかもしれない。
脚注
| 1. | ↑ | 実際の記事を読むと、この発言は必ずしも発言者本人が何の考えもなく口にしたものではないことがうかがえる。また、記事本文における本人の言葉遣いには、見出し写真のキャプションよりも一定の理にかなったニュアンスが含まれているようにも見える。それにもかかわらず炎上したのは、就職活動における企業側の配慮を欠いた言動や、採用する側の優位な立場を利用した態度に対して、多くの人が強い違和感を抱いていたからではないだろうか。このフレーズは、単なる一企業・一個人の発言としてではなく、就職活動における学生へのリスペクトの欠如を象徴するものとして受け止められてしまい、その結果、多くの非難を招いたのかもしれない。 |













