(第13回)「クリスマス合意」が実現した英国とEUの通商交渉(土田陽介)

コロナ危機とEUの行方| 2021.01.15
2020年に入って突如世界を席巻し始めた新型コロナウイルス感染症は,2020年3月11日にはWHOによってパンデミック宣言され,依然として予断を許さない状況が続いています.このコラムでは,さまざまな立場のEU研究者が,「コロナ危機下のヨーロッパ」がどう動くのか,どこへ向かうのかについて読み解いていきます.(全12回の予定)

12 月 24 日に合意が成立

難航していた英国と EU (欧州連合) の通商交渉が 2020 年 12 月 24 日のクリスマスイブ、遂に決着した。同年 1 月末に英国は EU から離脱、新たな通商協定を締結すべく 3 月から交渉はスタートしたが、双方の主張には隔たりが大きく、当初から交渉は難航が予想された。さらに新型コロナウイルスの感染拡大が、交渉を一段と困難にさせた。

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。→ . 会員登録(無料)はお済みですか? 会員について

土田陽介 (つちだ・ようすけ)
三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング (株)調査部副主任研究員。
2005 年一橋大経卒、06 年同修士課程修了。株式会社浜銀総合研究所を経て、2012 年より三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社調査部にて、エコノミストとして活動。欧州を中心にロシア、トルコ、新興国のマクロ経済、経済政策、政治情勢などについて調査・研究を行う。
主要経済誌への寄稿 (含むオンライン)、学会誌への査読付き論文多数。近著に『ドル化とは何か --- 日本で米ドルが使われる日』(ちくま新書)、『図説ヨーロッパの証券市場 (2020 年版)』(分担執筆、日本証券経済研究所) がある。