ディスカヴァー・ユア・パーパス
Ashraf, N., Bandiera, O., Minni, V. and Zingales, L.(2025) “Meaning at Work,” NBER Working Paper, 33843.
$\def\t#1{\text{#1}}\def\dfrac#1#2{\displaystyle\frac{#1}{#2}}$
北川梨津
はじめに
「ときにはマルクスの極致に触れ,自らの近経さを知る」ことも大事だろう1).マルクス経済学は近現代の経済を「労働疎外」で特徴づける.分業と資本の所有関係のもとで,労働者は成果から切り離され,自分が何のために何をつくっているのか実感しにくくなる,ということだ.共産主義の失敗を経た今日でもマルクス主義が関心を集める理由の 1 つは,この疎外の感覚がいまだ現実味を持つからだろう.
働く意味を実感するのは難しい.自分の仕事は自分にとって何なのか,誰にでもできることを生活のためにしているだけではないのか? そうした問いに前向きに答えられる人は多くない.筆者自身も最近学術誌の査読で論文のデスクリジェクトが続き,「何の意味があるんだ」と虚空をみつめている.
では,労働者が仕事における意味を実感することは経済的に重要なのだろうか? それとも,それはマルクス主義が知識市場において支持を獲得するための,単なるセールス上のレトリックにすぎないのだろうか?
今回紹介する Ashraf et al.(2025) は,ある多国籍企業 (一般消費財メーカー) において 14 カ国に所在する約 3000 人の若手ホワイトカラー従業員を対象に,仕事における意味の発見を促す研修プログラムの効果を無作為化比較試験 (Randomized Controlled Trial: RCT) によって検証している.自分の仕事にどのような意味を見出せるのかを従業員にみつめ直してもらうことが,従業員と企業にとってどのような帰結をもたらすのかを検討している本研究は,「働くことの意味」の価値が何かという壮大な問いに対して部分的な答えを与えているといえるだろう.
研修プログラムの内容
当該企業では「あなたの目的をみつけよう」研修 (DYP 研修) という内製の研修を実施していた.仕事や人生の意味・目的を言語化するプログラムで,当初は経営陣向けに行われていたが,管理職を経て全従業員に広がった.この研修は,従業員が自分の人生の目的を振り返り,それを仕事とどう結びつけられるかを理解する機会を提供するためにつくられた.研修は,(1)動画・資料で目的概念を学び,価値観や経験を振り返る事前課題,(2) 1 日集中の対面ワークショップ,の 2 段階からなる.ワークショップでは幼少期の楽しみ,困難,仕事外の関心,誇りに思う成功体験を共有し,共通テーマから「私の目的は〜〜することである」というパーパス文を作成し,仕事や私生活との結びつきを考える.企業理念の浸透や目標管理が目的ではなく,個人の意味づけに焦点を置くため,仕事と目的の不一致に気づいて離職が起こりうる点も織り込まれている.この DYP 研修は,ヴィクトール・フランクルという神経学者・精神科医が提唱した「ロゴセラピー」という「生の意味」を見出すことを手助けすることで精神の病を治療する心理療法に基づいており,その意味では科学的な知見に裏づけられているといえる (Frankl 1985).
さて,ここで雇用主が従業員のインセンティブ契約を設計するという,古典的なプリンシパル $=$ エージェント・モデルに立ち返って DYP 研修の効果を検討しよう.通常,従業員の効用は,努力によって生じる費用,すなわち「頑張ること」に伴う不快さや苦痛としての不効用を給与から差し引いたものとして定式化される.つまり,従業員 $i$ の効用関数を本人の努力 $e_i$ の関数として,次のように定式化する.
\begin{align*}
U(e_i)=S+b\theta_i e_i-c(e_i)
\tag{1}
\end{align*}ただし,$S$ は固定給,$\theta_i$ は従業員 $i$ の生産性 (したがって $\theta_i e_i$ が生産高),$b$ は成果給の歩合,$c(e_i)$ は努力に依存する費用関数である.
しかし,フランクルの「意味」の理論によれば,人間にとって問題なのは努力や苦痛それ自体ではなく,それが自らの「目的」や「意味」と結びついていないことであり,これが幸福や精神的健康を損なうとされる.著者らはこのフランクルの主張を,「従業員が自らの仕事に意味を見出すことができない場合には,同じ努力水準であっても,より大きな費用が生じる」と解釈している.したがって,従業員 $i$ の仕事 $j$ に関する努力費用関数 $c_{i,j}(\cdot)$ を次のように定式化する.
\begin{align*}
c_{i,j}(e_i)=\frac{e_i^2}{2(1+\lambda_i m_{i,j})}
\tag{2}
\end{align*}ここで,$\lambda_i,\,m_{i,j}$ という 2 つのパラメータが導入されていることに注目してほしい2).まず,パラメータ $m_{i,j}$ は従業員 $i$ にとっての仕事 $j$ が持つ本質的な意味を表している.次に,パラメータ $\lambda_i$ は従業員 $i$ がどれくらい自分のパーパスを明確に持ち,その仕事の自分にとっての意味を吟味できるかという鑑識眼を表している.したがって,$\lambda_i m_{i,j}$ は従業員 $i$ にとっての仕事 $j$ の主観的な有意義さを捉えている.
(1)式に $c(e_i)=c_{i,j}(e_i)$ と代入して,従業員の効用最大化問題を解くと,最適努力水準
\begin{align*}
e_{i,j}^*=b\theta_i(1+\lambda_i m_{i,j})
\tag{3}
\end{align*}が求まる.従業員の最適化を所与として雇用主は利潤を最大化するため,雇用主の目的関数は $\theta_i(1-b)e_i^* -S$ となる.このとき,利潤を最大化する成果給の歩合が $b^*=\dfrac 12$ であることは簡単にわかる.
さて,ここで従業員の直面するアウトサイド・オプション (他に就きうる仕事のうち最大の効用を与えるもの) を $a$ として,簡単のため,仕事 $a$ の給与は $S_{i,a}+\dfrac{1}{2}\theta_i e_{i,a}^*$ であると仮定する.今の仕事を $p$ とすると,従業員 $i$ が離職しない条件は,
\begin{align*}
S_p+\frac 12\theta_i e_{i,p}^*
\ge S_{i,a}+\frac 12 \theta_i e_{i,a}^*
\Longleftrightarrow
m_{i,p}-m_{i,a}\ge \frac{8(S_{i,a}-S_p)}{\lambda_i\theta_i^2}
\tag{4}
\end{align*}となる.DYP 研修は自分にとっての「目的」や「意味」をみつめ直す訓練であるから,これは既存従業員 (つまり,(4)式を満たすような $i$ の集合) の $\lambda_i$ を増加させることに対応すると解釈できる.給与制度が $\lambda_i$ の変化に応答して調整されることがないと仮定すると,職業選択において仕事の意味 $m_{i,p}$ と $m_{i,a}$ の大小関係の重要性が相対的に大きくなることがわかる.
(4)式を満たすような $i$,つまり既存従業員は 3 つのタイプに分けられる.第 1 に,$S_{i,a} \lt S_p$ かつ $m_{i,a} \lt m_{i,p}$ なる人々だ.この人たちは現在の仕事の固定給に満足しており,仕事の意味も見出せている順風満帆タイプといえる.第 2 に,$S_{i,a} \gt S_p$ かつ $m_{i,a} \lt m_{i,p}$ なる人々だ.この人たちは現在の仕事の固定給は少なめだが,仕事の意味を見出せているから残っているやりがいタイプといえる.第 3 に,$S_{i,a} \lt S_p$ かつ $m_{i,a} \gt m_{i,p}$ なる人々だ.この人たちは現在の仕事にあまり意味を見出せていないが,固定給が高いがゆえに残っている割り切りタイプといえる.
この状態から DYP 研修を通じて $\lambda_i$ が大きくなると,割り切りタイプが離職することがわかる.こうなると固定給から得られる効用が相対的に下がるため,自分にとってより有意義な仕事を求めて転職するということだ.さて,割り切りタイプの人たちは (3) 式からわかる通り生産高が低いので,その人たちが離職すると ($\lambda_i$ を固定しても) 残った従業員の生産高の平均は改善することがわかる.
予測 1 DYP 研修は,セレクション (離職) を通じて従業員の生産性の平均を高める.
他方で,順風満帆タイプとやりがいタイプはもともと今の仕事に意味を見出しているので,離職につながらない.さらに,(3)式から明らかなように最適努力水準は $\lambda_i$ について増加することから,これら 2 つのタイプの従業員,つまり研修後も残る人々については $\lambda_i$ が高まることでより努力が促され,生産性が高まることがわかる.
予測 2 DYP 研修は,離職せずに残った従業員の生産性を高める.
以上の 2 つの予測は,DYP 研修が離職を通じたセレクション効果と,離職せずに残った従業員の努力増加というインセンティブ効果の両面から平均的な生産性に影響を与えることを意味している.著者らはフィールド実験によって,これら 2 つの予測の検証を行っている.次節では,その実験の設計と主要な結果を紹介する.
実験結果
著者らは当該企業と協力して,実験が開始した 2019 年の時点でまだ DYP 研修を受講していなかった若手従業員を対象に,国・拠点ごとに層化したうえで従業員レベルで無作為に 2 群に分け,一方にのみ研修に招待する旨のメールを送付した.招待されないと研修に参加できないが,招待された場合に参加するかどうかは従業員に委ねられた.結果として,招待された従業員のうち約 $65\%$ が実際に研修に参加した.つまり,このフィールド実験は片側遵守の奨励デザインになっており,招待メールの受け取りを DYP 研修参加の操作変数として用いて研修参加の局所平均処置効果 (Local Average Treatment Effect: LATE) を識別することができる3).
図 1 は,DYP 研修が離職に与える影響 (LATE) を,研修参加後 1 カ月から 16 カ月までの経過月数ごとに推定した結果を示している.具体的には,「研修後 $E$ カ月以内に離職したか」というダミー変数を作成し,各 $E\in\{1,2,\dots,16\}$ について別々に操作変数推定を行って,得られた推定値をプロットしたものである.見てわかる通り,DYP 研修を受けた従業員の離職率が $4\sim 6\%$ ポイントほど高まっている.統制群における年間平均離職率が $13.2\%$ であるとのことなので,DYP研修により離職率が $40\%$ 増加していることに相当し,効果の規模が大きいことわかる.推定値は 16 カ月後までおおむね安定しているが,このことは,「いずれにせよ離職していたであろう人たちの離職を早めた」というよりは「DYP 研修がなければ離職していなかった人たちの離職を促した」と解釈できる.この実証結果は,予測 1 と整合的だ.
次に著者らは生産性への効果を推定している.生産性の指標として使ったのは人事評価のパフォーマンス・スコアだ.当該企業ではパフォーマンス・スコアが $0\sim 150$ の評点で上司によってつけられ,賞与額を決定するのに使われる.80 点以上 125 点未満が標準的なパフォーマンスとして設定されており,従業員は少なくとも 80 点以上の評価を得ることが期待されている.したがって,80 点未満の従業員は低業績者,125 点以上の従業員は高業績者ということになる.やや入り組んだ分析もしているので,ここでは回帰式を明示しよう.著者らは従業員パネルデータを用いて次の回帰式を推定している.
\begin{align*}
Y_{i,t}=\alpha+\beta_1T_i+\beta_2\t{Post}_i\times T_i
+\beta_3\t{Post}_t+\psi_{c(i)}+\eta_{i,t}
\tag{5}
\end{align*}ここで,$Y_{i,t}$ は従業員 $i$ の時点 $t$ におけるパフォーマンス指標を表し,低業績者ダミー,標準業績者ダミー,高業績者ダミーを用いて,それぞれのアウトカムについて線形確率モデルを推定している.そして,$T_i$ は従業員 $i$ が DYP 研修招待の対象者かどうかを表すダミー変数,$\t{Post}_t$ が研修参加後かどうかを表すダミー変数,$\psi_{c(i)}$ は国固定効果だ ($c(i)$ は従業員 $i$ の所在国)4).
(5)式の $\beta_2$ は処置意図効果 (Intention-to-Treat Effect: ITT) となる.表 1 の行 (a) は ITT の推定値を示している.研修招待を受けた従業員は低業績者に分類される確率が $2.6\%$ ポイント下がり,その分,標準業績者に分類される確率が同等に増加していることがわかる.次に,$P_i$ を従業員 $i$ が実際に DYP 研修に参加したかどうかを表すダミー変数として,(5)式の $T_i$ を $P_i$ にすげ替えたうえで $T_i$ と $\t{Post}_i\times T_i$ を操作変数として用いて LATE を推定した結果が表 1 の行 (b) だ.LATE が ITT より大きくなることは定義より自明だが,DYP 研修参加により遵守者について低業績者に分類される確率が $5.3\%$ ポイント下がり,統制群における平均と比べると約 $51\%$ もの効果に相当することがわかる5).
さて,これらの効果は実は次の 2 つの効果が合わさったものだ.第 1 に,従業員の生産性改善を通じたという直接効果だ.つまり,仕事の目的を発見することで,今の仕事でより努力をするようになるという効果だ.第 2 に,仕事の目的を発見することで,もっと意味のある仕事を求めて離職するようになることで (低業績者が離職し,それ以外の従業員が残ることにより) 従業員の平均的な生産性が改善するというセレクション効果だ.つまり,DYP 研修によって離職を促された従業員がいたことによって,処置群と統制群の間でもともとの生産性の分布が変わるということだ.
両者の相対的重要性をを明らかにするために著者らは,次のような分析をしている.まず,$Y_{i,t}(0)$ を従業員 $i$ の年月 $t$ における,仮に DYP 研修への招待を受けなかった場合の潜在アウトカムを表すとすると,(5)式の左辺を $Y_{i,t}(0)$ とすることで招待による離職を通じた効果,つまりセレクション効果だけを推定することができる.たとえば,招待されたグループから $Y_{i,t}(0)$ の低い人が離職していくとすると,そこに残る人たちの $Y_{i,t}(0)$ の平均は招待されなかった人たちのそれよりも高くなる.問題は,$Y_{i,t}(0)$ は実際に招待された人たちについては観察できないということだ.実験が始まる前の従業員 $i$ のアウトカムを $Y_{i,0}$ とすると,この時点では誰も招待を受けていないので全員が $Y_{i,0}=Y_{i,0}(0)$ である.つまり,招待された人々についても $Y_{i,0}(0)$ が観察できる.ここで $c$ を任意の定数として,すべての $(i,t)$ について $Y_{i,t}(0)=Y_{i,0}+c$ となることを仮定すると,$Y_{i,t}(0)$ の代わりに $Y_{i,0}\ (=Y_{i,t}(0)-c)$ を左辺として用いる (つまり,$Y_{i,t}=Y_{i,0},\,\forall(i,t)$ とする) ことでセレクション効果を推定できることがわかる6) .その推定結果が表 1 の行 (c) の列(1)だ.推定値は $-0.013$と行 (a) にある ITT の半分を占めている.したがって,直接効果とセレクション効果はちょうど半々であることが明らかになった.
さらに著者らは,他のアウトカムについても分析を行っている.報酬面では,DYP 研修への参加により賞与を受け取る確率や賞与額が有意に増加することが示されている.サーベイデータを用いた分析からは,研修参加者の仕事の意味づけ,職務満足度,主観的幸福度,同僚や企業との一体感といった指標が改善することが示されている.最後に費用便益分析では,研修に伴う機会費用や離職コストを考慮しても,効果が 2 年間持続するならば,企業にとって正の内部収益率をもたらすと試算されている.
以上を総合すると, DYP 研修は,低業績者の離職というセレクションと在職者の生産性改善という 2 つの経路を通じて,利潤と従業員厚生の双方に影響を与える介入であり,「意味」を軸とした人事施策が持つ経済的価値を説得的に示しているといえる.万国の労働者よ,DYP せよ!
おわりに
社内施策に費用を投じる以上,データに基づく効果検証が欠かせない.ただし因果推論をふまえない分析は,見せかけの相関から誤った意思決定を招いたり,真の効果を見落としたりする.「目にうつるすべてのことがメッセージ」とは限らないというわけだ.興味深いことに,著者らは実験開始前データも用い,因果推論の重要性を示すような分析も行っている.実験前は DYP 研修の招待が無作為化されず段階的に送られており,参加は同じく任意だった.図 2 を見ると,観察データを用いてプログラム参加者と非参加者を素朴に比べた推定値 (Non-RCT) と RCT による推定値を比べると,値が異なるばかりか多くで符号の反転も起きており,結論が変わりうることがわかる7).観察データだけでナイーブに効果検証することの陥穽を示しているといえるだろう.
問題の 1 つに,任意参加にはセルフ・セレクションが避けがたいという点が挙げられる.Jones et al.(2019) は大学職員の健康プログラムを RCT で検証し,受診は増えたが医療費や生産性の改善は乏しく,参加者がもともと健康という強いセレクションがあることを示した.Sandvik et al.(2025) は新人向けメンタリングを「強制」と「任意」で比較し,強制では生産性が上がる一方,任意では平均効果がほぼゼロで,低生産性層ほど参加しないというセレクションが確認された.RCT は施策の効果だけでなく,参加の選抜構造も可視化し,「任意か強制か」「誰にどう促すか」といった設計にも直結する.日本でも従業員施策を RCT で評価し,結果に基づき改善する取り組みが広がってほしい8).万国の経営者よ,RCT せよ!
参考文献
- 川太悠史 (2026) 「企業内 RCT と施策評価設計・分析手順と最新動向の整理」『一橋ビジネスレビュー』 73 (4): 34-48.
- Ashraf, N., Bandiera, O., Minni, V. and Zingales, L.(2025) “Meaning at Work,” NBER Working Paper, 33843.
- Frankl, V. E.(1985) \textit{Man’s Search for Meaning}, Simon and Schuster.
- Jones, D., Molitor, D. and Reif, J.(2019) “What do Workplace Wellness Programs do? Evidence from the Illinois Workplace Wellness Study,” \textit{Quarterly Journal of Economics}, 134 (4): 1747-1791.
- Sandvik, J., Saouma, R., Seegert, N. and Stanton, C. (2025) “Should Human Capital Development Programs be Mandatory or Voluntary? Evidence from a Field Experiment on Mentorship,” \textit{Management Science}.
続きは『経済セミナー』(2026年4+5月号通巻749号)で御覧ください
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脚注
| 1. | ↑ | (1)今回紹介する論文がカール・マルクスを引用しているので本稿でもマルクスに言及している.筆者の個人的な趣味でマルクスの話をしているわけではない. |
| 2. | ↑ | 費用関数が努力 $e_i$ の 2 次関数になっているのは,限界費用が努力水準に関して逓増することを表現している.なお,分母に 2 が乗じられているのは,単に最適化において微分する際に$e_i$ の指数とキャンセルアウトして,その結果,解の見た目がさっぱりするからで,この手のモデルでは常套手段だ. |
| 3. | ↑ | 片側遵守なので, LATE は処置群における平均処置効果 (Average Treatment Effect on the Treated: ATT) に等しくなる. |
| 4. | ↑ | 実際には,地域・拠点によって研修の実施時期は異なるので,$\t{Post}_t$ とするより $\t{Post}_{i,t}$ とする方が厳密だろう. |
| 5. | ↑ | LATE が ITT より大きくなることは,$\t{LATE}=\dfrac{\t{LATE}}{\t{Pr}(\t{complier})}$ より明らか.ただし,$\t{Pr}(\t{complier})$ は遵守者の比率を表す. |
| 6. | ↑ | 直観的には,時間による $Y_{i,t}(0)$ のトレンドが全員について同じであるという仮定である. |
| 7. | ↑ | もちろん,データ分析のリテラシーがあれば,観察データから素朴に推定した係数をそのまま「効果」とみなすことはそもそも避けるだろうが,筆者の経験上そのような素朴に推定された「効果」を額面通り受け取ってしまう実務家は少なくない. |
| 8. | ↑ | 日本企業における RCT の事例に関心のある読者は川太 (2026) を参照するとよい. |

















