出題(2025年10月号掲載分)/応募締切(10月8日)/解答(2026年1月号掲載)
出題1
縦 $4$ 行,横 $7$ 列のマス目に 1 つずつ石が置かれています.これに対して以下の操作を有限回行います:
- $2\times 2$ の正方形状に並んだ $4$ マスを選び,その片方の対角線上の $2$ マスから $1$ つずつ石を取って,もう片方の対角線上の$2$マスに$1$つずつ置く.
たとえば,石の個数が図 1 のようになっているとき,$1$ 回の操作で図 2 の状態にすることができます.石が $1$ つ以上置かれているマスの個数は,いくつまで減らせるでしょうか.その最小値を求め,それが最小であることを証明してください.
余力があれば,マス目の縦と横の長さが一般の場合も考えてみてください.
出題:小泉淳之介 (理化学研究所数理創造研究センター)
出題2
$a=(a_i)_{1\leqq i \leqq n}$ を正整数からなる長さ $n$ の数列とする.各整数 $a_1, a_2, \cdots, a_n$ を $n$ 個のボールに一つずつ書き込み,袋に入れ以下の操作を繰り返す.
- 袋からボールを $2$ 個取り出し,各ボールに書かれた整数をそれぞれ $p,\, q$ とする.
- 新しいボールに整数 $\lceil (p+q)/2 \rceil$ を書き込み袋に入れる.
ただし,実数 $s$ に対して $\lceil s \rceil$ は $s$ 以上の最小の整数を意味する.$1$ 回の操作で袋の中のボールの個数は$1$減るので,$n-1$ 回の操作で袋の中のボールは $1$ 個になる.この最後の $1$ 個のボールに書かれた整数としてあり得るもののうち,最大値を $M (a)$ と表すことにしよう.
例えば,$a_1=1,\, a_2=2,\, a_3=3$ なら,$1,\,2$ を取り出し $2=\lceil (1+2)/2\rceil$ を袋に入れ,$2,\,3$ を取り出し $3=\lceil (2+3)/2\rceil$ を袋に入れると,残る整数は $3$ となる.同様に,はじめに $1,\,3$ を取り出すと最後に $2$ が残り,はじめに $2,\,3$ を取り出すと最後に $2$ が残る.よって,この場合は $M (a)=3$ となる.
(1)与えられた数列 $a$ に対して,$M (a)$ が得られるのはどのような取り出し方か.
(2) $F=(F_i)_i$ をフィボナッチ数列とする.つまり,$F$ は $F_1 = F_2 = 1$ かつ $F_{i+2} = F_{i+1} + F_{i}$ ($i \geqq 1$) という漸化式を満たす.$F$ を第 $n$ 項目までで打ち切った数列 $(F_i)_{1\leqq i \leqq n}$ を考え,$M_n = M ((F_i)_{1\leqq i \leqq n})$ と置く.このとき,非負整数 $n$ に対して,$M_{4n+1}$ を $\lceil \cdot \rceil$ を使わず表せ.
出題:北川宜稔 (九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)
応募規定[解答掲載2026年1月号]
郵送の場合
B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:10月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5判のサイズで,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:10月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい (ファイルサイズ10MBまで).
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
(1)投稿フォームが上手く動かない,(2)受信確認メール希望の方でメールが届かない,などの場合,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2025年10月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2025年10月号
- 解答・講評は,本誌2026年1月号にてご確認ください.
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