(第6回)死ぬ代わりに先延ばしを選ぶ
プロ精神科医あるあるノート(兼本浩祐)| 2024.07.17
外来のバックヤード、あるいは飲み会などフォーマルでない場で、臨床のできる精神科医と話していると、ある共通した認識を備えていると感じることがあります。こうした「プロの精神科医」ならではの「あるある」、言い換えれば教科書には載らないような暗黙知(あるいは逆に認識フレームの罠という場合もあるかもしれません)を臨床風景からあぶり出し、スケッチしていくつもりです。
(毎月中旬更新予定)
本当にこの先に希望はあるのか
突然ですが、この先、生きていていいことはありそうだと思われますか。
実習に来ている医学部の学生さんにそう尋ねると、「あると思います」と迷いなく明るく答える人が圧倒的に多く、自分が若かった頃とずいぶん違うなと驚いたことが何度かありました。
兼本浩祐(かねもと・こうすけ)
中部PNESリサーチセンター所長。愛知医科大学精神神経科前教授。京都大学医学部卒業。専門は精神病理学、臨床てんかん学。『てんかん学ハンドブック』第4版、『精神科医はそのときどう考えるか』(共に医学書院)、『普通という異常』(講談社現代新書)など著書多数。
中部PNESリサーチセンター所長。愛知医科大学精神神経科前教授。京都大学医学部卒業。専門は精神病理学、臨床てんかん学。『てんかん学ハンドブック』第4版、『精神科医はそのときどう考えるか』(共に医学書院)、『普通という異常』(講談社現代新書)など著書多数。