(第12回:終)多様性の交差点:移住者がもたらす街並みの変化

歩いて学ぶ都市経済学(中島賢太郎・手島健介・山﨑潤一)| 2023.09.21
都心に高層オフィスビルが林立しているのはなぜ? 原宿にアパレルショップが集中しているのはなぜ? この連載では、日本各地の都市で見られる何気ない風景の「なぜ」を取り上げ、その背後にあると考えられる経済学的メカニズムを解説するとともに、そのメカニズムをデータを使って検証した最先端の実証研究を紹介していきます。

(毎月下旬更新予定)

はじめに

山手線の新大久保駅や中央線の各駅停車の大久保駅で降り、通りを歩けば、目に鮮やかなハングル文字が飛び込んでくる。この一帯は、多くの韓国料理店や韓国食材店が軒を連ね、韓国の食文化を楽しむことができる場所として有名だ。また、食文化のみならず韓国スタイルの美容院や、K-POP や韓流ドラマのファンがグッズを買える場所も集まっており、広く韓国文化に触れる場所、機会を提供している (図 1)。

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中島賢太郎 (なかじま・けんたろう)
一橋大学イノベーション研究センター准教授。東京大学大学院経済学研究科博士後期課程修了、博士 (経済学)。東北大学大学院経済学研究科准教授などを経て、2017年より現職。都市経済学・空間経済学を専門とする。スマートフォンGPSデータや歴史的データなど、幅広いデータを用いた実証研究を行っている。
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手島健介 (てしま・けんすけ)
同志社大学経済学部教授。コロンビア大学経済学部博士課程修了。
(Ph.D.)。メキシコ自治工科大学経済研究所助教授、一橋大学経済研究所教授などを経て、2023年9月より現職。主にメキシコと日本のミクロデータをもとに、グローバリゼーションおよび都市にまつわる諸問題を研究している。
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山﨑潤一 (やまさき・じゅんいち)
神戸大学大学院経済学研究科講師。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス (LSE) 博士課程修了 (Ph.D.)。神戸大学大学院経済学研究科助教などを経て、2021 年より現職。開発経済学、応用ミクロ計量経済学を専門とする。明治期の鉄道や江戸期の農業投資など、日本の歴史的データを用いた実証研究を多く行っている。
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※本連載は、共同執筆です。著者順は慣例に従いアルファベット順としています。