(第6回)ラベルをはがす

みんなのストレス波乗り術(竹田伸也)| 2021.02.22
ストレスをなくそうとするのではなく、しなやかに対処する。海に浮かぶ発泡スチロールの船のように、大波にあらがうのではなく、波に乗って飄々とやりすごす。“波乗り”こそ、ストレスとつきあう一番の方法です。“みんな”のこころを楽にするストレスの波乗り術を、臨床心理学を用いてやさしくお伝えします。

(毎月下旬更新予定)

やつらが来た!

2月に入ると、春がそこまで来ているのがわかります。とくに、僕の場合、それがよーくわかるんです。なぜかというと、からだが「やつらが来た!」と警戒し始めるからです。そのやつらとは、スギ花粉。

僕、かなりひどい花粉症なんですよね。花粉症になると目がかゆくなるとかいうじゃないですか。そんなの、まだ軽いほうです。僕、毎年、目が痛いんです……。寒い冬を耐え忍んでようやく暖かい春を迎える。本来なら、ウキウキすることが多い季節なのでしょうが、僕のように花粉症と付き合っている人には、憂うつな春といった趣もあるでしょう。

その花粉症ですが、毎年やられっぱなしというわけでもありません。花粉が飛び始めると、からだがアラームを鳴らすんです。ほんと、ごくわずかな花粉だと思うんですが、からだが反応する。それをキャッチした僕は、薬を飲んで先手を打つわけです。そうすると、そうしないときと比べて、症状はいくぶん和らぐような気がします。

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竹田伸也(たけだ・しんや)
鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学専攻准教授。専門は、臨床心理学、認知行動療法。「生きづらさを抱えた人が生まれてきてよかったと思える社会の実現」をコンパスとして、その方向にそって自分にできることを進めている。最近は、自分のもつ弱さをかわいく思える技の開発に励んでいる。著書に、『マイナス思考と上手につきあう認知療法トレーニング・ブック』(遠見書房)、『対人援助職に効くストレスマネジメント』(中央法規出版)など。