グローバル化と憲法秩序(山元一)(特集:法のグローバル化―変容する世界と向き合う)

特集から(法学セミナー)| 2019.06.14
毎月、月刊「法学セミナー」より、特集の一部をご紹介します。

(毎月中旬更新予定)

◆この記事は「法学セミナー」774号(2019年7月号)に掲載されているものです。◆

特集:法のグローバル化―変容する世界と向き合う

グローバル化による社会の変化が、
さまざまな法分野のなかに再考すべき課題を与えている。
かつての「当然」も、歴史のなかで生まれた一つの視座でしかなく、
変化しうるものだと意識しながら、
本特集で取り扱われる法的問題を考えていって欲しい。
それによって、〈法・法学の歴史性〉に真摯に向き合うことができる。

――編集部

1 はじめに

冷戦終了後、急速に進展してきたグローバル化は、ごく一般的には、〈ヒト・モノ・カネ・情報の国境を越えた自由な移動〉という現象を指す。本特集は、「法のグローバル化」をテーマとして取り上げて、グローバル化が法や法学にどのような影響やどのような新たな問題をもたらしているか、それに対してどのような対応をするべきなのかについて、いくつかの重要な論点を取り上げて検討する。グローバル化ほど、現在最も手垢にまみれた言葉はほかにないかもしれない。この意味で、グローバル化は、21世紀前半という私たちが今を生きるこの社会のありかたの特徴を象徴的に指し示している、といえるであろう。逆にそうだとすると、「法のグローバル化」は、単に、〈法についての現状報告〉を意味するに過ぎないのであろうか。

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