[対談]会計情報が人を動かす—会計学と経済学の交差点(経済セミナー2026年10+11月号)

特集から(経済セミナー)| 2026.09.29
『経済セミナー』の特集に収録されている対談・鼎談の一部をご紹介します.

(奇数月下旬更新予定)

「会計」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、簿記や決算書の作成、利益の計算などだろうか。しかし、企業や株主などの関係者たちが目にする会計情報は、単に経営の結果を記録した数字の羅列ではない。どんな数字をどう公表するか、何をどう測り、どのように目標設定して業績評価を行うかで、人々の行動を大きく変える力を持っている。経営者が受け取る報酬の決定や従業員の目標管理などを手がかりに、会計学のおもしろさを伝え、経済学と交わることで生まれる新たな可能性を探る。

1 はじめに

—本日は、「会計情報が人を動かす」という観点から、会計学と経済学の接点と、両分野を結びつけることで見えてくる研究の可能性について伺いたいと思います。まずはお二人の自己紹介から、よろしくお願いします。

伊藤 伊藤秀史です。現在、早稲田大学大学院経営管理研究科 (ビジネススクール) に所属しています。一橋大学商学部を卒業し、同大学大学院商学研究科を経て、スタンフォード大学のビジネススクールで Ph.D.を取得しました。専門は、プリンシパル=エージェント理論などを中心とする契約理論と、契約理論などを経営や組織の問題に応用する組織の経済学です。このようなバックグラウンドなので、経済学者としては、会計や会計学に比較的近い分野で研究してきたと思います。本日は、濵村さんのような若い研究者から新しいことを学ぶ機会として、楽しみにしています。

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