デジタル化と著作権—侵害が「カジュアル化」する時代に(前田健)
法律時評(法律時報)| 2026.01.27
世間を賑わす出来事、社会問題を毎月1本切り出して、法の視点から論じる時事評論。 それがこの「法律時評」です。ぜひ法の世界のダイナミズムを感じてください。
月刊「法律時報」より、毎月掲載。
(毎月下旬更新予定)
◆この記事は「法律時報」98巻2号(2026年2月号)に掲載されているものです。◆
1 デジタル化のもたらす混乱-法と現実のミスマッチ
著作権法の歴史は、つねに技術革新と歩みを共にしてきた。印刷技術の発達と普及が著作権制度を生み出して以来、著作権法は、権利の主体あるいはこれを侵害し得る者として、出版社、放送局、映画会社といった比較的少数のプレーヤーを想定し、これらプロの事業者間で権利処理を行う枠組みを想定してきた。20世紀の録音、録画、複写等の技術の発展に起因して私的な空間における著作権侵害行為が拡大したことにより、この従前の枠組みは揺さぶりを受けたが、枠組みそのものの維持は図られてきた。













