出題(2019年7月号掲載分)/応募締切(7月8日)/解答(2019年10月号掲載)
出題1
乗算 × と加算 + とは
x×(y+z)=(x×y)+(x×z)という分配法則を満たしますが,このことを,× は + に対して分配上位であり,+ は × に対して分配下位であると言うことにします.
乗算 × に対して分配上位
x∗(y×z)=(x∗y)×(x∗z)である演算 ∗ と,加算 + に対して分配下位
x+(y∘z)=(x+y)∘(x+z)である演算 ∘ とを見つけてください.ただし,どちらも結合的,可換,単位的,連続とします.ここで,演算 ⋅ が結合的とは (x⋅y)⋅z=x⋅(y⋅z),可換とは x⋅y=y⋅x,単位的とは x⋅e=e⋅x=x である単位元 e が存在すること,連続とは f(x,y)=x⋅y という関数 f が連続関数であることです.(x,y,z は任意)
乗算,加算は実数あるいは複素数全体で定義されていますが,新しい演算の定義域は必要であれば少し狭めても構いません.しかし,できるだけ広い定義域が望ましいとします.簡単に見つけられた方は,その一意性,階層性などについても考察してみてください.
出題:山田修司
出題2
1 から n までの n 個の自然数を一列に並べます.
この中の 2 個の数 a,b が次の条件(ア),(イ)のいずれかを満たすとき,a と b は交換可能とします.
(ア) a と b は隣り合っており,かつ,a と b の差は 1 または 2.
(イ) 1 個の数をはさんで a と b があり,かつ,a と b の差は 1.
与えられた順列に対してこの交換操作を繰り返し行って他の順列に変換することを考えます.
(1) n≧2 とします.それ自身と異なるどのような順列にも変換できないような順列をひとつみつけてください.なるべく “簡単な” ものをエレガントとします.
(2)昇順 (1,2,⋯,n) から降順 (n,n−1,⋯,1) への変換が可能であるような n をすべて求めてください.
出題:中上川友樹
応募規定[解答掲載2019年10月号]
郵送の場合
B5版の用紙をご使用のうえ,解答用紙 l 枚ごとにA:出題の番号(例:7月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5版のサイズで,解答用紙 l 枚ごとにA:出題の番号(例:7月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい.
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
投稿フォームが上手く動かないなどの場合は,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2019年7月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2019年7月号
- 解答・講評は,本誌2019年10月号にてご確認ください.