出題(2023年9月号掲載分)/応募締切(9月8日)/解答(2023年12月号掲載)

エレガントな解答をもとむ(数学セミナー)| 2023.08.10
 『数学セミナー』のコーナー「エレガントな解答をもとむ」の出題を掲載します.奮ってご応募ください.解答・講評(3ヶ月後)は,本誌にてご確認ください.

(毎月10日頃の掲載予定)

$\def\t#1{\text{#1}}\def\dfrac#1#2{\displaystyle\frac{#1}{#2}}$

出題1

一見すると,エッ本当? と思うかもしれませんが,次のような等式が成り立ちます.証明も簡単にできます.
\begin{align*}
&\sqrt{180-45\sqrt{5}} + \sqrt{86-38\sqrt{5}} = \sqrt{56+19\sqrt{5}}, \\
& \sqrt{104+48\sqrt{5}}+\sqrt{81+45\sqrt{5}} = \sqrt{389+177\sqrt{5}}.
\end{align*}

(1) $\sqrt{a+b\sqrt{5}}+\sqrt{c+d\sqrt{5}} =\sqrt{1+\sqrt{5}}$ となるような $0$ でない整数 $a$, $b$, $c$, $d$ は存在するでしょうか.

(2) $\sqrt{a+18\sqrt{5}}+\sqrt{3+4\sqrt{5}}=\sqrt{x+y\sqrt{5}}$ となるような整数 $a,\, x,\, y$ は存在するでしょうか.

(3)最初の二つの等式において,左辺のルートの中の符号をそれぞれ一か所ずつ変えると,右辺は
\begin{align*}
&\sqrt{180+45\sqrt{5}} + \sqrt{86+38\sqrt{5}} = \sqrt{476+185\sqrt{5}}, \\
& \sqrt{-104+48\sqrt{5}}+\sqrt{-81+45\sqrt{5}} = \sqrt{19+9\sqrt{5}}
\end{align*}のように再び一つのルートのかたちにまとまります.このようなことが一般に成り立つことを示してください.

(4)一番最初の等式
\begin{align*}
\sqrt{180-45\sqrt{5}} + \sqrt{86-38\sqrt{5}} = \sqrt{56+19\sqrt{5}},
\end{align*}の続きとして,左へ一つずつずらした等式
\begin{align*}
& \sqrt{86-38\sqrt{5}} + \sqrt{56+19\sqrt{5}} = \sqrt{104+7\sqrt{5}}, \\
& \sqrt{56+19\sqrt{5}} + \sqrt{104+7\sqrt{5}} = \sqrt{234+90\sqrt{5}}
\end{align*}が成り立ちます.この整数を使った等式の列は,この後も無限に続けることができるでしょうか.

一問,二問,三問だけの解答も歓迎します.

出題:阿賀岡芳夫 (広島大学名誉教授)

出題2

(1)円周上に 4 個の点 A, B, C, D が反時計回りに並んでいます.このとき,次の等式が成り立つことを示してください.
\begin{align*}
\t{BC} \cdot \t{CD} \cdot \t{DB} – \t{AC} \cdot \t{CD} \cdot \t{DA} + \t{AB} \cdot \t{BD} \cdot \t{DA} – \t{AB} \cdot \t{BC} \cdot \t{CA} = 0
\end{align*}

(2)円周上に $2n$ 個の点 $\t{A}_1, \t{A}_2, \cdots, \t{A}_{2n}$ が反時計回りに並んでいます.$1 \leqq k \leqq 2n$ について,
と置きます.つまり,$D_k$ は,点 $\t{A}_k$ を除いた残りの $2n-1$ 点におけるすべての 2 点間の距離の積です.このとき,次の等式が成り立つことを示してください.
\begin{align*}
D_1 – D_2 + D_3 – D_4+ \cdots + D_{2n-1} – D_{2n} = 0
\end{align*}

出題:中上川友樹 (湘南工科大学情報学部)

応募規定[解答掲載2023年12月号]

郵送の場合

B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:9月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.

〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係

メール送信の場合

B5判のサイズで,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:9月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい (ファイルサイズ10MBまで).

解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.

「エレガントな解答をもとむ」解答投稿フォーム

問題番号  :
氏名    :
確認用メールアドレス(任意):

このアドレスに,投稿確認用のメールをお送りします.
受信確認が不要な方は空欄で構いません.
編集部に届くメールと同内容のものを送信しますので,お送りいただくPDFファイルも添付されます.
メールアドレスは返信用に使うだけで,収集することはありません.

※解答PDFを添付して下さい

投稿フォームが上手く動かないなどの場合は,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.

注意事項

  • 締切:2023年9月8日
  • 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
  • 年齢を忘れずにお書きください.
  • 解答用紙は両面の使用を不可とします.
  • 解答用紙はご返却できません.
  • 問題のご感想も歓迎します.
  • 出題掲載号:数学セミナー2023年9月号
  • 解答・講評は,本誌2023年12月号にてご確認ください.

「エレガントな解答をもとむ」をすべて見る
最新の「エレガントな解答をもとむ」はこちら

単行本が発売になりました!