出題(2022年6月号掲載分)/応募締切(6月8日)/解答(2022年9月号掲載)

エレガントな解答をもとむ(数学セミナー)| 2022.05.10
 『数学セミナー』のコーナー「エレガントな解答をもとむ」の出題を掲載します.奮ってご応募ください.解答・講評(3ヶ月後)は,本誌にてご確認ください.

(毎月10日頃の掲載予定)

$\def\t#1{\text{#1}}\def\dfrac#1#2{\displaystyle\frac{#1}{#2}}$

出題1

$n$ を正の整数として,以下で定まる列 $(a_1,a_2,\cdots,a_n)$ を考えます.
\begin{align*}
&a_1=2^n-1,\\[5pt]
&a_k=\Bigl((1+\sqrt{k})^n-1\Bigr)\cdot\left(1+\sum^{k-1}_{i=1}a_i\right)\quad (2\leqq k\leqq n)
\end{align*}この列の最後の項 $a_n$ について,「良い」上からの評価 (つまり,$a_n\leqq b_n$ を満たす $b_n$) を見つけてください.また,その「良さ」の説明も添えてください.「良さ」の基準としては,例えば

  • 精度が良い ($b_n$ の値が $a_n$ に近い)
  • 表示が簡潔である
  • 証明が簡単である

などが考えられますが,上記以外の基準でも構いません.何を「良さ」として主張するかの選択も解答の一部と考えてください.

出題:縫田光司

出題2

$p$ を奇素数とします.

(1) 合同不定方程式 $x^2+y^2\equiv 1\ (\text{mod}\,p)$ の $x\not\equiv 0\ (\text{mod}\,p)$, $y\not\equiv 0\ (\text{mod}\,p)$, $x^2\not\equiv y^2\ (\text{mod}\,p)$ となる解で互いに非同値である解の総数を求めてください.ここ で,$x\equiv a\ (\text{mod}\,p)$, $y\equiv b\ (\text{mod}\,p)$ なる解に対し $(x,y)\equiv (\pm a,\pm b)\ (\text{mod}\,p)$ および $(x,y)\equiv(\pm b,\pm a)\ (\text{mod}\,p)$ なる 8 つの解を解 $(a,b)$ と同値な解といいます.

(2) $\boldsymbol{F}_p=\{0,1,\cdots,p-1\}$ とします.$p$ を法としてある整数の平方数に合同な数を $p$ を法とする平方数といいます.$0$ と合同な整数は平方数としません.$p$ を法として整数 $a$ が $2$ つの異なる平方数 $x^2,\,y^2$ の差 $x^2-y^2$ に合同になるような $x^2$ と $y^2\ (x^2,\,y^2\in\boldsymbol{F}_p)$ の対 $(x^2,y^2)$ の総数を $N(a)$ で表します.$\boldsymbol{F}_p\setminus\{0\}$ に属するすべての整数 $a$ に対し $N(a)$ の値を求めてください.

例えば $p=7$ のとき,平方数は $1,\, 4,\, 2$ の $3$ つで,平方数の差の値は $7$ を法として $2-1 \equiv 1$, $4-2 \equiv 2$, $4-1 \equiv 3$, $1-4 \equiv 4$, $2-4 \equiv 5$, $1-2 \equiv 6$ となり,任意の整数 $a\ (a\in\boldsymbol{F}_7\setminus\{0\})$ に対して $N(a)=1$ です.

次に $1$ の $p$ 乗根で $1$ でないものの $1$ つを $\zeta\ (\zeta\not=1,\,\zeta^p=1)$ とします.さらに $\alpha=\sum\limits^{p-1}_{i=0}\zeta^{i^2}$ とおくとき,複素数 $\alpha$ の絶対値は $\sqrt p$ であることを示してください.

出題:中川暢夫

応募規定[解答掲載2022年9月号]

郵送の場合

B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:6月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.

〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係

メール送信の場合

B5判のサイズで,解答用紙l枚ごとにA:出題の番号(例:6月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい (ファイルサイズ10MBまで).

解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.

「エレガントな解答をもとむ」解答投稿フォーム

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受信確認が不要な方は空欄で構いません.
編集部に届くメールと同内容のものを送信しますので,お送りいただくPDFファイルも添付されます.
メールアドレスは返信用に使うだけで,収集することはありません.

※解答PDFを添付して下さい

投稿フォームが上手く動かないなどの場合は,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.

注意事項

  • 締切:2022年6月8日
  • 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
  • 年齢を忘れずにお書きください.
  • 解答用紙は両面の使用を不可とします.
  • 解答用紙はご返却できません.
  • 問題のご感想も歓迎します.
  • 出題掲載号:数学セミナー2022年6月号
  • 解答・講評は,本誌2022年9月号にてご確認ください.

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