(第8回)支援のミスマッチを防ぐ「アセスメント」の重要性

#小さな調整が大きな変化を:発達障害の方々にとって「悪くない暮らし」のために(佐々木康栄)| 2026.02.10
発達障害のある方やそのご家族が安心して地域で生活できる、そんな「あたりまえの日常」を支えるために、私たちには何ができるでしょうか。本連載では、私の臨床経験をもとに、誰もがその人らしく暮らせるためのあり方を模索していきたいと思います。正解はないかもしれませんが、一人ひとりができる小さなことが、ときに大きな支えとなります。私たちができる「小さな調整」を一緒に考えていきましょう。なお、本連載で紹介するエピソードは、個人情報保護や守秘義務の観点から、特定の個人を識別できないように配慮し、事実関係を損なわない範囲で一部修正を加えています。

(偶数月上旬更新予定)

支援がうまくいかないときに必要な視点

前回まで、環境をわかりやすく整理する「構造化」について解説してきました。その中で活用される「スケジュール」や「視覚的な提示」といった具体的な関わりは、ご本人の安心を支える有効な手段です。

しかし、現場からは「スケジュールを導入したが、うまくいかない」「絵カードを用意したが、活用されない」といった声を聞くこともあります。このような場合、支援の方法そのものが間違っているというよりも、「その関わりが、ご本人の特性と合致していない」というミスマッチが起きている可能性があります。

どれほど優れた支援ツールであっても、ご本人の特性や現状に即していなければ、残念ながら意味は薄く、むしろ混乱を招く要因にもなりかねません。そこで不可欠となるプロセスが、今回のテーマである「アセスメント(評価)」です。今回は、支援の現場においてなぜアセスメントが必要不可欠なのか、その論理的な理由と実践的な視点についてお伝えします。

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佐々木康栄(ささき・こうえい)
公認心理師/臨床心理士/精神保健福祉士
知的障害や成人の自閉症の方の生活支援、療育センターでの勤務を経て、現在は発達障害の方々のサポートを専門とするよこはま発達グループにて、医療・療育・相談・啓発活動などに従事。人材育成のための講演、全国の障害福祉機関や保育園/幼稚園へのコンサルテーションも担っている。TEACCHプログラム研究会東北支部の代表のほか、デザインやアートの力を活用し、障害のある方々の多様な形での社会参加を目指す株式会社クロス・カンパニーのアドバイザーも担っている。著書には『場面別気になる子の保育サポートアイデアBOOK』(単著、中央法規出版、2024年)などがある。

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