出題(2024年10月号掲載分)/応募締切(10月8日)/解答(2025年1月号掲載)
出題1
ふたつの関数 f(x) と g(x) が可換であるとは,
f(g(x))=g(f(x))を満たすことをいいます.例えば f(x)=x はどんな関数とも可換です.ここでは,多項式はすべて有理数係数であるとします.
問 1 単項式 p(x)=xm (m≧2)と可換な n-次多項式 Fn(x) を求めてください.
問 2 2 次多項式 p(x) と可換な 3 次多項式 F3(x) の組 (p(x),F3(x)) を求めてください.
問 3 互いに可換な n-次多項式 Fn(x) (n=0,1,2,3,⋯) の列
F0(x)=1,F1(x)=x,F2(x),F3(x),⋯,Fn(x),⋯を作ってください.
興味のある人は,問題の多項式の係数が実数や複素数,あるいはより一般の可換整域の場合を考えてみてください.また,可換な m 次多項式と n 次多項式の組については何がいえるでしょうか.
出題:吉田知行(北海道大学名誉教授)
出題2
n を正の整数として,図 1 のような正方形のマスからなる n×n の格子を考える.格子の各マスに ‘a’ か ‘b’ の 1 文字を書いたものを n×n の文字盤と呼ぶことにする.図 2 の左は 4×4 の文字盤の例である.
文字盤 S に対して自然数 l(S) を以下のように定義する.S のあるマスからスタートし,隣接する右のマスまたは上のマスへの移動を繰り返すような経路を考える.(移動回数は 0 でもよい.) 経路上のマスに書かれた文字を通った順に並べることで,各経路に対して文字列が 1 つ定まる.このような文字列のうち,回文となるものの長さの最大値を l(S) と定めよう.例えば,図 2 右の経路に対応する文字列は ‘aabaa’ であり,また l(S)=6 である.
ただし,回文とは順序を逆にしても変わらない文字列のことで,例えば,’a’ と ‘ababa’ と ‘ababbbaba’ は回文であり, ‘ababab’ と ‘aaaabbbb’ は回文ではない.
n×n の文字盤 S をすべて考えたときの l(S) の最小値を Ln と置く.L2024 を求め,l(S)=L2024 となるような 2024×2024の文字盤 S の個数を求めよ.

図1 n=4 の場合の格子

図2 4×4 の文字盤の例(左)とその経路の例(右)
出題:北川宜稔(東京大学大学院数理科学研究科)
応募規定[解答掲載2025年1月号]
郵送の場合
B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:10月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5判のサイズで,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:10月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい (ファイルサイズ10MBまで).
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
(1)投稿フォームが上手く動かない,(2)受信確認メール希望の方でメールが届かない,などの場合,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2024年10月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2024年10月号
- 解答・講評は,本誌2025年1月号にてご確認ください.
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