出題(2024年9月号掲載分)/応募締切(9月8日)/解答(2024年12月号掲載)
出題1
正の整数 x,y について,その比 x:y が隣り合う正の整数の比であるとき, x,y をよいペアと呼びます.正の整数の集合 A について,A のどの 2 つの要素もよいペアであるとき,A をよい集合と呼びます.例えば,純正律による長調の音階において,ド,ミ,ファ,ソの 4 音の周波数比は 1:54:43:32 となっています.通分して,A={12,15,16,18} と置くと,A はよい集合になります.
(1) 5 個の要素からなるよい集合を 1 つ作ってください.
(2) どのような正の整数 n についても,要素数が n であるようなよい集合が存在するでしょうか.
余裕があれば,次の発展問題を考えてみてください.d を正の整数とします.正の整数 x,y について,その比 x:y を最も簡単な整数の比で表わすとき,その両項の差が d ならば x,yを d-good と呼びます.正の整数の集合 A について,A のどの 2 つの要素も d-good であるとき,A を d-good と呼びます.d>1 のとき,上記の (2) に対応する問題の答えはどうなるでしょうか.
出題:中上川友樹 (湘南工科大学情報学部)
出題2
二つの実関数 f(x),g(x) があれば,合成関数の差を取って f(g(x))−g(f(x)) という新しい関数が作れます.
(1) 不等式
cos(sinx)–sin(cosx)>0が成り立つことを証明してください.
(2) 不等式
sinx+1>f(g(x))−g(f(x))>sinx−1が成り立つような関数f(x),g(x)は存在するでしょうか.証明をつけて解答してください.
(3) さらに,不等式
ex+1>f(g(x))−g(f(x))>ex−1についてはどうでしょうか. (2) と同様に考えてください.
(4) f(x)=|x|,g(x)=−12(|x|+1) とおけば,f(g(x))−g(f(x))=|x|+1 となります.では,
f(g(x))−g(f(x))=|x|−1となるような関数 f(x),g(x) は存在するでしょうか.
一問,二問,三問だけの解答も歓迎します.力が余っていたら,こんな関数も f(g(x))−g(f(x)) のかたちに表せますといった面白い例を探してみてください.
出題:阿賀岡芳夫 (広島大学名誉教授)
応募規定[解答掲載2024年12月号]
郵送の場合
B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:9月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5判のサイズで,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:9月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい (ファイルサイズ10MBまで).
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
(1)投稿フォームが上手く動かない,(2)受信確認メール希望の方でメールが届かない,などの場合,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2024年9月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2024年9月号
- 解答・講評は,本誌2024年12月号にてご確認ください.
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