(第3回)専門性とは何か:倫理・知識・技術をつないで“生きた支援”へ
#小さな調整が大きな変化を:発達障害の方々にとって「悪くない暮らし」のために(佐々木康栄)| 2025.06.06

(毎月上旬更新予定)
はじめに
第1回では「支援とは、上から何かを“してあげる”ことではない」という倫理的立ち位置を、第2回では「“ふつう”という物差しを疑う」視点をお届けしました。では、その土台の上で実際に現場を動かす力、「専門性」とは何でしょうか。それは資格や肩書きの話ではありません。目の前の人の暮らしをよくするために、何を知り、どう工夫し、なぜ・誰のために行うのか。この一連の思考と行動こそが、私たち支援者の専門性だと、私は考えています。

公認心理師/臨床心理士/精神保健福祉士
知的障害や成人の自閉症の方の生活支援、療育センターでの勤務を経て、現在は発達障害の方々のサポートを専門とするよこはま発達グループにて、医療・療育・相談・啓発活動などに従事。人材育成のための講演、全国の障害福祉機関や保育園/幼稚園へのコンサルテーションも担っている。TEACCHプログラム研究会東北支部の代表のほか、デザインやアートの力を活用し、障害のある方々の多様な形での社会参加を目指す株式会社クロス・カンパニーのアドバイザーも担っている。著書には『場面別気になる子の保育サポートアイデアBOOK』(単著、中央法規出版、2024年)などがある。