(第12回)ドラギ ECB 総裁、最後の大仕事

EUの今を読み解く(伊藤さゆり)| 2019.09.27
2019 年は EU にとって、イギリス離脱のほか、5 年に 1 度の欧州議会選挙、それに伴う EU の行政執行機関・欧州委員会のトップにあたる委員長の交代と体制の刷新、さらに首脳会議常任議長(通称、EU 大統領)、欧州中央銀行(ECB)総裁も交代するという大変革の年です。このコラムでは、こういったイベントを軸に EU の今を読み解いていきます。

(毎月下旬更新予定)

欧州中央銀行(ECB)が、9 月 12 日の政策理事会で「包括的な金融緩和パッケージ」を決めた。昨年 12 月に国債等の資産を買い入れる量的緩和の拡大停止を決めてから 9 カ月。 ECB は再び金融緩和の拡大に舵を切ることになった。

ECB の今回の「緩和パッケージ」は、まさに政策総動員の様相を呈する。今回の決定は、(1)金融機関が ECB に資金を預け入れる際の金利の引き下げ(マイナス $0.4\%$ $\to$ マイナス $0.5\%$)、(2) 11 月 1 日から月 200 億ユーロ規模での資産買い入れの再開、(3)償還期限を迎えた資産の再投資の継続、(4) 19 年 9 月から 21 年 3 月まで四半期毎に行うターゲット型資金供給(TLTRO III)の条件の緩和(10bp 1)の上乗せ金利を撤回、期間を 2 年から 3 年に延長)、(5)マイナス金利政策による金融機関の負担を軽減するため、預金の一部はマイナス金利の適用外とする「階層方式」導入の 5 本の柱からなる2)

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脚注   [ + ]