(第10回)外部侵入犯行の形跡が顕著であるのに、無理やり内部犯行説を組み立て、被害者と同じ部屋で寝ていた内妻を犯人に仕立てて起訴した―徳島ラジオ商殺し事件(1)

捜査官! その行為は違法です。(木谷明)| 2019.06.11


なぜ誤った裁判はなくならないのか――。
警察官、検察官の証拠隠しや捏造、嘘によって、そしてそれを見抜かなかった裁判所によって、無実の人が処罰されてしまった数々の冤罪事件が存在します。
現役時代、30件以上の無罪判決を確定させた元刑事裁判官・木谷明氏が、実際に起こった事件から、刑事裁判の闇を炙り出します。

(毎月中旬更新予定)

徳島ラジオ商殺し事件(1)

  • 徳島地決昭和55年12月3日判時990号20頁
  • 徳島地決昭和45年7月20日判時607号29頁

本件は、検察権力の恐ろしさと、その検察を盲目的に信頼する裁判所の無能さをまざまざと見せつける事件である。犯行現場には、外部犯行を示唆する有力な痕跡があった。そのため、警察は当然その線で捜査を遂げ、犯人として逮捕した被疑者を検察官に送致した。ところが、検察官は、この被疑者を釈放した上、独自に内部犯行説を組み立て、こともあろうに、当時、被害者である夫とともに就寝中であった内妻(S子さん)を「夫殺しの犯人」に仕立てて起訴したのである。

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