(第4回)直角三角形の基本定理とは

数学の泉(高瀬正仁)| 2019.01.09
数学に泉あり。数学は大小無数の流れで構成されていて、今も絶え間なく流れ続けている雄大な学問ですが、どの流れにも源泉があり、しかもその源泉を作った特定の人物が存在します。共感と共鳴。数学の泉の創造者たちの心情と心を通わせることこそが、数学を理解するという不思議な体験の本質です。そこで数々の泉を歴訪して創造の現場に立ち会って、創造者の苦心を回想し、共感し、共鳴する糸口を目の当たりにすることをめざしたいと思います。

(毎月上旬更新予定)

ピエール・ド・フェルマはデカルトとともに西欧近代の数学に礎石を置いた人物です.生地はフランスのボーモン=ド=ロマーニュ.生誕日は長らく 1601 年 8 月 17 日と信じられていましたが,近年の研究により 1607 年 10 月 31 日から 12 月 6 日の間のある日と修正されて話題を呼びました.デカルトとは異なる様式で曲線に接線を引いたり,確率論をめぐってパスカルと手紙を取り交わしたりと,数学への寄与が多岐にわたる中でも,一段と際立った印象を受けるのは「数の理論」です.「フェルマの大定理」「フェルマの小定理」など,数の世界の神秘に触れるおびただしい真理を次々と発見し,数論の泉を作りました.

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