録画で有罪認定の1審「違法」東京高裁判決 栃木・今市市の女児殺害事件

ロー・フォーラム 裁判と争点(法学セミナー)| 2018.10.15
毎月、全国の裁判所で数多くの判決や決定が下される中から、私たちの社会に問題を提起する判決、法律学上の議論に影響を及ぼす判決など、注目の裁判を毎月ひとつずつ紹介します。
月刊「法学セミナー」より、毎月掲載。

(奇数月中旬更新予定)

◆この記事は「法学セミナー」766号(2018年11月号)に掲載されているものです。◆

栃木県日光市(旧今市市)で2005年、小学1年の女児(当時7歳)を連れ去って殺害したとして、殺人罪などに問われた勝又拓哉被告(36)に対し、東京高裁は8月3日、裁判員裁判による1審・宇都宮地裁判決(無期懲役)を破棄し、改めて無期懲役を言い渡した。藤井敏明裁判長は、取り調べを録音録画した映像から犯行を認定した1審の訴訟手続きを「法令違反がある」と批判する一方で、「状況証拠を総合すれば、被告が犯人と認められる」と判断した。被告側は即日上告した。

取り調べの録音録画は約10年前から試行が始まり、拡大されてきた。本来は捜査機関が密室で不適切な取り調べをしていないかチェックするためのものだったが、検察側が自白の任意性に加え、自白内容の信用性を立証するために積極活用する動きが起きていた。2審判決はこうした手法に疑問を投げかけたもので、公判実務に大きな影響を与えそうだ。

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