(第7回)心の性・性指向の多様性とトランスセクシュアル
ヒトの性の生物学(麻生一枝)| 2024.03.15

このシリーズでは,私たちの人生に密接に関係する「ヒトの性に関する生物学的知見」を紹介していきます.
(毎月中旬更新予定)
前回まで、体の性 (内性器や外性器の性)、心の性、そして性指向の発達には、胎児期の男性ホルモンが影響していることを見てきたわけだが、「いま一つ納得がいかないなあ」という感覚をもった読者も多いのではないだろうか。なぜなら、意地悪く言えば、「男性ホルモンがあると性器が男性型になりますね。性自認も男性に傾きますね。性指向も男性型で女性に魅力を感じるものになりますね」と言っているだけで、次のような問いにはきちんと答えていないからだ。
