序文(特別企画:セクシュアリティ――対人援助の新たな視点)(編:山登敬之)

特別企画から(こころの科学)| 2023.12.19
心理臨床、精神医療、教育、福祉等の領域で対人援助にかかわる人、「こころ」に関心のある一般の人を読者対象とする学術教養誌「こころの科学」。毎号の特別企画では、科学的知見の単なる解説ではなく、臨床実践に基づいた具体的な記述を旨としています。そうした特別企画の一部をご紹介します。

(毎月中旬更新予定)

◆本記事は「こころの科学」233号(2024年1月号)の、山登敬之編「特別企画:セクシュアリティ――対人援助の新たな視点」に掲載されている序文です。◆

昨今では、セクシュアルマイノリティの活動などにみるとおり、多様な性のあり方を認める動きが盛んになってきた。対人援助においても、セクシュアリティを多面的に理解する必要が生じている。だが、支援者がどこまで正しい知識をもち実践に活かせているか、当事者にとって安全な支援の場が提供できているかといえば、いささか心許ない。

そもそも、私たちはセクシュアリティ、すなわち性にまつわる話題について、聴いたり話したりすることに慣れていない。性は、人間が命をつなぐうえでも潤いのある生活を営むうえでも重要であり、個人の人生を彩るものである。その点からいえば、ごく自然なことなのに、オープンに語るのは憚られる。文化差はあろうが、性生活や性嗜好が基本的に「秘め事」だからだろう。

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