(第8回)ユーロ圏の非対称的ショックとしてのエネルギー危機と銀行システムのストレス(伊藤さゆり)
ヨーロッパの直面するエネルギー危機| 2023.07.12

(全 10 回の予定)
抑えられたエネルギー危機のGDPへの影響
エネルギー危機は、ユーロ圏のコロナ禍からの景気回復にブレーキを掛けた。ロシアからの輸入におよそ 4 割を依存してきた天然ガスの需要期にあたる 22 年 10〜12 月期、23 年 1〜3 月期の実質 GDP はともに前期比マイナス 0.1%、前期比年率ではマイナス 0.5%、マイナス 0.4%だった。2 四半期連続のマイナス成長、これは「テクニカル・リセッション (景気後退)」とみなされる状況だ。
