(第16回)戦後日本における「過去の克服」(2)(本庄十喜)

おさらい日本の近現代史―「日本」と東アジアの関係を読み解くために| 2022.11.22
日本の近代・現代とはどのようなものだったのでしょうか。
私たちが今、日々ニュースで接する日本の社会状況や外交政策を、そのような歴史的視点で捉えると、いろいろなものが見えてきます。
この連載では、「日本」と東アジア諸国との関係を中心に、各時代の象徴的な事件などを取り上げ、さまざまな資料の分析はもちろん、過去の事実を多面的に捉えようとする歴史研究の蓄積をふまえて解説していただきます。
現在の日本を作り上げた日本の近現代史を、もう一度おさらいしてみませんか。

(毎月下旬更新予定)

先の第15回では、戦後初頭からおもに1970年代までの日本における草の根レベルの「過去の克服」の取り組みについてを、日本の侵略戦争や植民地支配といった「加害の歴史」とそれらに伴う責任について、日本人自身が向き合い始める歴史的契機に着目しつつ確認していきました。続く第16回は、“昭和の終焉”と“戦後50年”という2つの節目を背景にして誕生した、おもに1980年代以降の「過去の克服」について紹介し、今もなお残された課題について考えていきたいと思います。

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本庄十喜(ほんじょう・とき)
東京都生まれ。青山学院大学法学部、同大学院法学研究科博士前期課程(専攻は国際人権法)をへて明治大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(史学)。専門は日本現代史、民衆運動史、戦後補償運動史。現在、北海道教育大学札幌校准教授。
主な業績として、「北海道における植民地支配の記憶と継承――「民衆史掘り起こし運動」を中心に」山田朗・ 師井勇一編『平和創造学への道案内』(法律文化社、2021年)、「日本は何度も謝ったのか――日本軍「慰安婦」問題にみる「過去の克服」の実態」『日韓の歴史問題をどう読み解くか』(新日本出版社、2020年)、杉並歴史を語り合う会・歴史科学協議会編『隣国の肖像――日朝相互認識の歴史』(大月書店、2016年)など。