財政の特殊性とその憲法的統制の可能性(上代庸平)(特集:お金ってなんだ?)

特集から(法学セミナー)| 2022.09.14
毎月、月刊「法学セミナー」より、特集の一部をご紹介します。

(毎月中旬更新予定)

◆この記事は「法学セミナー」813号(2022年10月号)に掲載されているものです。◆

特集:お金ってなんだ?

わたしたちの生活に不可欠な「お金」の生成・発展および法との関係について、多様な観点から検討します。

――編集部

1 はじめに

本稿の課題は、「お金」に関わる法的問題について、憲法を中心とする公法の観点から検討を加えることである。

定価:税込 1,540円(本体価格 1,400円)

「お金」に「憲法」と言えば、まず想起されるのは、日本国憲法第7章に規定される、国の財政に関する諸条項であろう。これらの条項は、国の財政運営に関する基本原則を定めるほか、その制度的具体化である予算制度、租税原則、そして財政に対する憲法的統制に関する規定を含んでいるが、これらはいずれも、国による権限の行使を財政的に裏付けるとともに、その権限を財政面から統制することを使命とする。その意味では、他の憲法条項と同じように、国家権力に対する制限規範及び授権規範として機能しているものの、一方で、財政という実体経済の一部分に関わる規律でもあることから、実体法上の権限配分規範とは異なる法原則及び法的思考に基づいて運用されることが必要な分野でもある。

そこで、ここではまず、財政に対する憲法的統制の特殊性と財政法の領分について触れた上で、その財政の特性に依拠した財政上の憲法原則について概観し、財政に関わる法的規律及び法的統制が問題となっている最近の事例について、財政(憲)法からの視点を示すことにしたい。

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