(第18回)答弁書の作法(4)

民事弁護スキルアップ講座(中村真)| 2021.12.15
時代はいまや平成から令和に変わりました。価値観や社会規範の多様化とともに法律家の活躍の場も益々広がりを見せています。その一方で、法律家に求められる役割や業務の外縁が曖昧になってきている気がしてなりません。そんな時代だからこそ、改めて法律家の本来の立ち位置に目を向け、民事弁護活動のスキルアップを図りたい。本コラムは、バランス感覚を研ぎ澄ませながら、民事弁護業務のさまざまなトピックについて肩の力を抜いて書き連ねる新時代の企画です。

(毎月中旬更新予定)

すっかり冬になりました。新型コロナウイルス感染症の広がりは少し落ち着いてきたものの、まだまだ予断を許さない状況です。思えば、油断したことにより、この連載も1ヵ月飛んでしまいました。

1 答弁書の作法はつづく

これまで3回に渡って、「答弁書の作法」という切り口で取り上げてきました。

「訴状の作法」の回と同様、第1回目は民事訴訟法、民事訴訟規則上の答弁書の形式的な規律について、第2回目は請求の趣旨に対する答弁について、そして第3回目となる前回は、請求の原因に対する認否について取り上げてみました。

そこで、第4回目となる今回からは、何回かに分けて、答弁書における被告の主張の展開方法の実際について、取り上げたいと思います。

今回は、答弁書の「第3 被告の主張」にどのような内容を記載するべきかという、一見、さほど重要でなさそうなテーマについて、真剣に検討してみたいと思います。

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中村真(なかむら・まこと)
1977年兵庫県生まれ。2000年神戸大学法学部法律学科卒業。2001年司法試験合格(第56期)。2003年10月弁護士登録。以後、交通損害賠償案件、倒産処理案件その他一般民事事件等を中心に取り扱う傍ら、2018年、中小企業診断士登録。2021(令和3)年9月、母校の大学院にて博士(法学)の学位を取得(研究テーマ「所得税確定方式の近代及び現代的意義についての一考察-我が国及び豪・英の申告納税制度導入経緯を中心として-」)。現在、弁護士業務のほか、神戸大学大学院法学研究科にて教授(法曹実務)として教壇に立つ身である。

著者コメント 今回も答弁書の記載方法を取り上げましたが、その内容は「第2 請求の原因に対する認否」と「第3 被告の主張」の使い分け、それぞれの位置づけという、かなり局所的なトピックについてでした。もっとも、特に駆け出しの代理人としては、書き分けにムダに悩んでしまいがちな部分でもあり、思考の参考にしていただければ幸いです。
さて、次回は答弁書での被告の主張の展開方法について、もう少し一般的に取り上げます。