男女格差を大きく感じている人ほど,ジェンダー政策を支持するのか?

海外論文サーベイ(経済セミナー)| 2021.07.26
 雑誌『経済セミナー』の "海外論文Survey" からの転載です.

(奇数月下旬更新予定)

Settele, S.(2021) “How Do Beliefs about the Gender Wage Gap Affect the Demand for Public Policy?” American Economic Journal: Economic Policy, forthcoming.

奥山陽子

はじめに

「日本の男女には、43.7%の所得格差があるんだって、知ってた?」1) ケーキの上でフィギュアスケーターの人形が突然そうしゃべりだす — スポーツ用品大手ナイキが 2021 年 5 月 28 日に公開した CM 「New Girl | Play New」が話題を呼んだ。「43.7%」という数字 1 つとっても、「聞き飽きた」という人もいれば、「この数字を知らなかった」という人、「予想以上に大きいな」と驚いた人まで、反応はさまざまだったようだ。男女所得格差、あるいは男女賃金格差という概念は人口に膾炙しているとはいえ、格差の大きさの認識には温度差がある。あなたと私、同じ景色をみているとは限らない。

男女格差に対する温度差。それは、ジェンダー関連政策の支持率にも影響するのだろうか? 男女格差を大きいと認識している人ほど、政策努力が必要だと考えているのだろうか? この問いに、サーベイ実験を用いて答えを出したのが、今回紹介する論文だ。

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脚注   [ + ]

1. 1) ナイキジャパンが 2021 年 5 月 28 日に公開した CM 「New Girl | Play New 」43 秒目より。本稿執筆時点では、ナイキジャパンの YouTube チャンネルより視聴可能