(第5回)小さなサンプル・サイズの問題点 — ランダム化で生まれる偏り
現実を「統計的に理解する」ための初歩の初歩(麻生一枝)| 2020.03.13

(毎月中旬更新予定)
サンプル・サイズの小さい社会調査
$\def\t#1{\text{#1}}\def\dfrac#1#2{\displaystyle\frac{#1}{#2}}$
「サンプル数の少ない($=$サンプル・サイズの小さい)世論調査や社会調査は信用するな」という言葉は、誰しもどこかで聞いたことがあるだろう。そして、その理由もおそらく、わかっているはずだ。
人の意見はさまざまで、異なるのがふつうである。たとえ母集団からランダムに選んだとしても、十分な数の人に尋ねなかったら、偏った意見だけをたまたま($=$偶然)拾ってしまう可能性がある。そして、それにもとづいた結論は偏ったものになる。たくさんの人に尋ねることで、偶然による意見の偏りを回避し、より真実に近い、より信憑性のある結果を得ることができる。
