アイヌ支援のための新法を制定:アイヌを「先住民族」と明記

ロー・フォーラム 立法の話題(法学セミナー)| 2019.06.14
国会で成立する法律は数多くに及びますが、私たちの社会の制度変更に影響の大きい立法、私たちの生活に影響の及ぼすような立法など、注目の立法を毎月ひとつずつ紹介します。
月刊「法学セミナー」より、毎月掲載。

(奇数月中旬更新予定)

◆この記事は「法学セミナー」774号(2019年7月号)に掲載されているものです。◆

制定の背景等

アイヌは、古くから北海道に居住し、アイヌ語や独自の宗教、文化等を発展させてきた。2017年の「北海道アイヌ生活実態調査」によると、北海道内の63市町村には、1万3千人超のアイヌの人々が暮らしている。

アイヌの人々は、1899年に制定された「北海道旧土人保護法」による保護対策の対象とされたが、日本の近代化の中で、差別や貧窮の状態が続いた。1997年には、同法の廃止を含む「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律(アイヌ文化振興法)」が制定され、アイヌ文化の振興等の施策が実施されてきた。

2007年、国連総会において「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択され、これを受けて、翌2008年には、衆参両院において「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が採択された。このような先住民族への配慮を求める国内外の要請等に鑑み、政府は、本年2月15日に「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律案」を国会に提出した。同法案は、両議院における審議を経て、可決成立した(本年4月26日に公布され、同日から1月以内の政令で定める日〔5月24日〕から施行)。

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