(第10回)分化強化

そんなことまで行動分析学(蒲生裕司)| 2019.06.06

「行動分析学」を知れば、世の中が見えてくる!?
同じものごとに出くわしても、それに対する反応の仕方は人それぞれ。でもよく見てみると、同じ人は必ず同じやり方で反応し、それが思わぬ問題を引き起こすことも……。
人の「行動」のきっかけと理由を解明する心理学、それが「行動分析学」。その考え方を用いて、話題のニュースや身近な出来事を読み解きます。


(毎月上旬更新予定)

トランプ アメリカ合衆国大統領が、5月25日午後5時過ぎに、令和初の国賓として、大統領専用機「エアフォースワン」で羽田空港に到着しました。3泊4日の滞在中に、天皇、皇后両陛下との会見をしたり、安倍首相とゴルフをしたり、大相撲夏場所を観戦し、平幕で優勝した朝乃山関に米国大統領杯を授与したり、六本木にある炉端焼き店で安倍首相と食事をするなど、大変多忙なスケジュールだったようです。

さて、ご存知の方もいるかと存じますが、典型的な炉端焼き店では、囲炉裏の周りを取り囲むように、その日に供される旬の野菜や魚介類、肉類などが並べてあります。そして、客の注文に応じて、囲炉裏端に陣取っている料理人(たいていは店主)が、客の目の前で囲炉裏の炭火で食材を焼いて提供するスタイルとなっています。囲炉裏の周りは食材が並べられているため、客と料理人の間には物理的な距離があります。そのため、出来上がった料理は「掘返(ほりかえし)べら」という長いしゃもじで離れた客に提供されるのです。なんと合理的で素晴らしいシステムなのでしょう。炉端焼き最高。

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