「学校に行きたくない」:保健室(すぎむらなおみ)

こころの現場からセレクト(こころの科学)| 2019.03.25
心理臨床、医療、教育、福祉、司法など、対人援助にはさまざまな「現場」があります。「こころの現場から」は、そうした臨床現場の風景をエッセイという形で紹介するコーナーです。雑誌「こころの科学」にこれまで掲載されたもののなかから、こころの科学編集部がいま届けたい記事をセレクトして転載します。

(奇数月下旬更新予定)

◆この記事は「こころの科学」165号(2012年9月)に掲載されたものです。◆

「また、お腹が痛い~」とハルナ(高1)が保健室に入ってきた。最近、頻繁にやってくる。おならがでたら、トイレに行きたくなったら、と不安で教室にいられないのだそうだ。

「困ったね。こんなに保健室にきてたら、授業がわからなくなっちゃうよ」と私が言うと、「うん。最近、友だちに『ノート貸して』って頼みにくくなってきた」とうつむく。

「高校って、もっと毎日が楽しいと思ってたのに。ぜんぜんだった」

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