(第6回)証人尋問

渋谷重蔵は冤罪か?―19世紀、アメリカで電気椅子にかけられた日本人(村井敏邦)| 2019.02.25
日本開国から24年、明治の華やかな文明開化の裏側で、電気椅子の露と消えた男がいた。それはどんな事件だったのか。「ジュージロ」の法廷での主張は。当時の日本政府の対応は。ニューヨーク州公文書館に残る裁判資料を読み解きながら、かの地で電気椅子で処刑された日本人「渋谷重蔵」の事件と裁判がいま明らかになる。

(毎月下旬更新予定)

陪審員の宣誓、裁判長による陪審員への警告に続いて、いよいよ、証人尋問が開始された。まず検察側証人の尋問である。検察側証人は、事件現場で重蔵を逮捕した警察官フレデリック・コートランダー(Frederick J. Courtlander)、続いて、被害者の死体解剖を行った副検死官、さらに事件現場にいた船員たち、コートランダーから救助を頼まれた巡査たち、現場の船員宿の主人とその妻いう順序で証言台に立った。

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。→ . 会員登録(無料)はお済みですか? 会員について