鼎談:経済学における「実験」の可能性(経済セミナー2023年12月+2023年1月号)

特集から(経済セミナー)| 2023.11.28
経済セミナー』の特集に収録されている対談・鼎談の一部をご紹介します.

(奇数月下旬更新予定)

今、経済実験が注目を集めている。近年実験関連の分野でノーベル経済学賞が出ていることからも明らかなように、研究はもちろん、実務・教育現場にも大きな影響を与えている。今回は、実験経済学のエキスパート 3 名にお集まりいただき、実験室実験、アンケート調査を利用したサーベイ実験、現実社会の中で実施するフィールド実験の最前線に迫りつつ、経済学における実験アプローチの威力と魅力を徹底解説!

1 はじめに

—本日は、実験経済学のフロンティアで研究に取り組んでいる 3 名の皆さまにお集まりいただき、現在の全体像と今後の展望をじっくりとご議論いただきます。まずは皆さま、自己紹介からお願いします。

花木 大阪大学の花木です。私が実験経済学にはじめて出会ったのは学部生のときです。ちょうど私が筑波大学の学部生だった 1990 年代半ば頃に西條辰義先生が在籍しており、実験室を立ち上げられました。西條先生はご自身の授業でも教室で実験をされていて、「経済学は理論研究ばかりでその検証が十分ではない。これからは実験研究をもっと進めるべきだ」とおっしゃっていました。

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