(第18回)月誕生の新シナリオ—シネスティア
地球惑星科学の地平を求めて(半揚稔雄)| 2023.10.19

(毎月中旬更新予定)
$\def\t#1{\text{#1}}\def\dfrac#1#2{\displaystyle\frac{#1}{#2}}$
月の誕生は 45 億年ほど前に原始地球と原始惑星とが起こした破局的な衝突によるとする,いわゆる“巨大衝突 (ジャイアント・インパクト)” 説が最有力視されて来た.しかし,月の組成が地球の組成とほぼ一致することや,月のその他の性質が容易に説明できないという点から,手詰まりの状況にあった.2018 年に,月の組成が地球に似ていることを説明する新たなモデルとして,“シネスティア” と呼ばれるまったく新しい中間的な天体が形成され,この天体の進化過程を通して先の難点が解消されることが示された.

著書:『ミッション解析と軌道計の基礎』(現代数学社,2014 年),『惑星探査機の軌道計算入門 (改訂版)―― 宇宙飛翔力学への誘い』(日本評論社,2023 年),『入門連続体の力学』(同,2017 年),『つかえる特殊関数入門』(同,2018 年) など.