鼎談:なぜ、いま「計算社会科学」なのか?(経済セミナー2022年12+2023年1月号)

特集から(経済セミナー)| 2022.11.28
経済セミナー』の特集に収録されている対談・鼎談の一部をご紹介します.

(奇数月下旬更新予定)

2015 年に第 1 回の国際会議が開催されて以降、日本でも学会が立ち上がり、政府の取り組みでも注目されるなど、国内外で期待が高まっている「計算社会科学」。世論動向の探索やウェブ上での人々の行動・言論の分析、新型コロナウイルス感染症の拡大抑止のためのシミュレーション分析など、多様な成果が発信されている。今回は、 2021 年に発足した計算社会科学会の会長を務める遠藤氏、副会長を務める上東・鳥海氏をお招きして、計算社会科学とはどんな学問なのか、どのような背景で誕生し、拡大してきたのか、さらに日本での取り組みや今後の展望などについてご議論いただいた。

1 はじめに

— まずは自己紹介を兼ねて、皆さまのバックグラウンドや現在のご関心などから教えてください。なお本日は、ご自身も計算社会科学を専門とする横浜国立大学の松井暉さんにモデレーターをお願いしています。

遠藤 学習院大学の遠藤です。専門は社会学で、特に社会システム論や社会変動論を専門としています。社会変動論とは、歴史的に見れば前近代から近代へ、近代から現代へ、そしてポストモダンへと、社会はなぜ・どのように変化していくのか、その結果どうなるのか、といったことを、社会全体をシステムとして捉えつつ考えていく学問分野です。

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