「愛」の文化的発展に迫る

海外論文サーベイ(経済セミナー)| 2022.05.27
 雑誌『経済セミナー』の "海外論文Survey" からの転載です.

(奇数月下旬更新予定)

Baumard, N., Huillery, E., Hyafil, A. and Safra, L.(2022) “The Cultural Evolution of Love in Literary History,” Nature Human Behaviour: 1-17.

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松井暉

はじめに

“All You Need Is Love” というタイトルの曲を歌ったのは The Beatles である。この曲のタイトルを「愛こそはすべて」と解釈したとしても「あなたに必要なものは愛」と解釈したとしても、「愛」という抽象的な概念が私たちの社会で重要視されていることに疑いの余地はないだろう。この曲は 1967 年 6 月 25 日に、あるテレビ番組において、通信衛星を通じて 24 カ国で同時放送された。ところで、この「愛」という概念は文化を超えて共通のものなのだろうか。また、国や時代によって異なるものなのだろうか。そもそも、この「愛」という概念は私たち人類にとっていつから重要なものになったのだろうか。この抽象的かつロマンチックな概念の発達を分析する手がかりを与えてくれるのが、文学作品である。

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