(第6回)落ち着きのないわが子に鉄剤が投与されたのですが、なぜですか?/依存症が心配なので、毎日ではなく必要なときだけ薬を飲ませてもいいですか?

子どもの心のお薬Q&A(岡田俊)| 2022.03.04
子どもが病院や診療所で心の薬による治療を薦められることは決して稀ではありません。子どもだって心が病むときも、その回復に支えが必要なこともあるのです。安易な薬物療法は望ましくありませんが、一律に避けてしまうというのも子どものためになりません。子どもの精神科薬物療法について、できるだけわかりやすくQ&Aでお伝えします。

(毎月上旬更新予定)

Q 「うちの子はとにかく落ち着きがなくて、病院を受診しました。注意欠如・多動症治療薬ではなく鉄剤が投与されたのですが、なぜですか?」

「落ち着きがない」という症状があるとき、その原因は注意欠如・多動症であることもありますし、抑うつや不安、あるいは、身体的な要因まで、さまざまな原因が考えられます。そのため、注意欠如・多動症と診断するためには、発達水準に不相応な不注意や多動性―衝動性があるというだけではなく、その症状が12歳以前から学校や家庭などの複数の場面で認められるとともに、他の精神疾患で説明されないこと、また、他の身体的な疾患の可能性を除外することが求められます。

そのなかで最も注意する必要があるのは、睡眠障害の一つであるレストレスレッグス症候群(むずむず足症候群)です。

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岡田 俊(おかだ・たかし)
精神科・児童精神科医師。1997年京都大学医学部卒業。同附属病院精神科神経科、デイケア診療部などの勤務を経て、2011年より名古屋大学医学部附属病院親と子どもの心療科、2020年より国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所に勤務。