(第23回)ビッグデータの落とし穴:偏ったデータからは偏った結果しか生まれない
現実を「統計的に理解する」ための初歩の初歩(麻生一枝)| 2021.09.17

(毎月中旬更新予定)
ビッグデータや AI といった言葉から、みなさんはどのようなことを思い描くのだろうか。
マスメディアからは、
新型コロナウイルスと、ビッグデータで闘う
新型コロナウイルスに関する〇〇万本の論文データを、AI で解析
といった言葉が次々と流れてくる。
これら、ビッグデータ信仰・ AI 崇拝ともとれる言葉を日々聞かされていると、「ビッグデータと AI さえあれば、人間が何もしなくても素晴らしい結果が得られる」「ぼう大な量のデータを AI に入力しさえすれば、人間では考えもつかなかった解決策を AI が提供してくれる」と思い込んでしまいそうだ。さらには、人ではなく AI が解析するのだから、その解析結果は、主観や偏見を排除した、客観的で公平で正確なものだ、とも思い込まされてしまいそうだ。
