(第7回)子どものこころのくすり

こころのくすり、くすりのこころ(渡邉博幸)| 2021.04.07
「いつまでくすりを飲まないといけないの?」「副作用が心配です」「今のくすりが合わない気がする……」。精神科のくすりを服用する際、当事者や家族は疑問や不安を抱くことがあるでしょう。くすり以外の方法を用いることも大切です。医療者が一方的に治療を提供するのではなく、当事者・家族・支援者が見通しを共有し、よりよい治療につながる工夫を考えます。

(毎月上旬更新予定)

子どもへの処方に対する見方

みなさんは子どもの頃、「記憶力や集中力がアップするくすりがあったらいいなあ」とか、「性格がよくなるくすりがあったらなあ」と思うことはありませんでしたか? そんな夢のようなことが描かれている人気の漫画を見たりして、反対に「くすりで性格や行動が変わったら怖いなあ」と直感的に感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私が精神科医になりたての頃は、外来を受診したり施設入所中の子どもに向精神薬を処方する際、子どもにくすりをのませることを親御さんが躊躇したり、強い懸念を示したりすることが珍しくありませんでした。しかし、この10年ほどの間に、一般の方にも子どもの発達障害が知られるようになり、注意欠如・多動症(ADHD)の治療薬が登場するなどの大きな変化がありました。インターネット上の診断基準でわが子を“診断”して、「注意散漫で学業成績が落ちてきているので、ADHDのくすりを出してください」と薬物治療を積極的に望む親御さんの医療相談を受けることも稀ではなくなっています。

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渡邉博幸(わたなべ・ひろゆき)
千葉市にある都市型の精神科専門病院である木村病院で働いています。とくに専門をもたずにいろいろな患者さんを診ていますが、最近は産後メンタル不調の方や若い方に多くかかわっています。薬のこと、こころのこと、暮らしのこと、さまざまな困りごとに、いろいろなスタッフと協力し試行錯誤しながら答えを探す毎日です。著書:『統合失調症治療イラストレイテッド』(星和書店)ほか。