(第4回)二項対立から降りる

みんなのストレス波乗り術(竹田伸也)| 2020.12.21
ストレスをなくそうとするのではなく、しなやかに対処する。海に浮かぶ発泡スチロールの船のように、大波にあらがうのではなく、波に乗って飄々とやりすごす。“波乗り”こそ、ストレスとつきあう一番の方法です。“みんな”のこころを楽にするストレスの波乗り術を、臨床心理学を用いてやさしくお伝えします。

(毎月下旬更新予定)

うどんか、それともラーメンか

あなたは「うどん派」ですか? それとも「ラーメン派」ですか?

麺好きにとって永遠のテーマともいえる、この「うどんかラーメンか」という問いかけ。なかなか悩ましい問題ですね。

ちなみに、僕はというと……。うーん。讃岐生まれなので、うどんはもちろん大好きだし、郷土愛も強い。だから、「うどん!」と言いたいところですが、ラーメンも好きだし。うーん。悩ましい。

そんな悩みを見越してか、鳥取市にはうどん出汁をスープにした「素ラーメン」というラーメンもあります。ならば僕も、ラーメンスープを出汁にした「素うどん」を作ってみるか! いや、素うどんは具の入っていないうどんのことをいうので、そんなことしたらややこしいか。うーん、悩ましい……。

こうした悩ましい問いかけ。悩ましいがゆえに、実はストレスの種になることがよくあるようなんですね。今回は、そのあたりの話を中心に、ストレスの波乗り術についてお話ししてみようと思います。

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竹田伸也(たけだ・しんや)
鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学専攻准教授。専門は、臨床心理学、認知行動療法。「生きづらさを抱えた人が生まれてきてよかったと思える社会の実現」をコンパスとして、その方向にそって自分にできることを進めている。最近は、自分のもつ弱さをかわいく思える技の開発に励んでいる。著書に、『マイナス思考と上手につきあう認知療法トレーニング・ブック』(遠見書房)、『対人援助職に効くストレスマネジメント』(中央法規出版)など。