(第3回)「こころを満たす行動」にシフトする

みんなのストレス波乗り術(竹田伸也)| 2020.11.24
ストレスをなくそうとするのではなく、しなやかに対処する。海に浮かぶ発泡スチロールの船のように、大波にあらがうのではなく、波に乗って飄々とやりすごす。“波乗り”こそ、ストレスとつきあう一番の方法です。“みんな”のこころを楽にするストレスの波乗り術を、臨床心理学を用いてやさしくお伝えします。

(毎月下旬更新予定)

或る問い

突然ですが、あなたがこの文章を読んでいるのはどうしてですか?

数ある読み物のなかから、いまこの文章を読んでくださっている。これは、僕としては本当に嬉しいことです。

もう一度うかがいますけど、あなたがこの文章を読んでいるのはなぜですか?

「ただなんとなく読んでいるだけ」という方もいるかもしれませんね。

でもですよ。こうした読み物に目を通すということは、それをする時間がたったいまあるってことですよね。それって、自由な時間です。で、その自由な時間は、自由であるがゆえに、何をしてもいいわけです。そうした状況で、この文章をいまあなたが読んでくださっている。これ、「そうする動機」がそこにあったということなんです。

実は、「僕たちが何気なくしている行動は、動機次第でこんな違いが!」とちょっと驚くことがあるんです。その「こんな違い」が、ストレスにもかかわってくる。そんなわけで、今回は僕たちがふだん何気なくしている行動を通して、ストレスの波乗り術についてお話ししてみたいと思います。

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竹田伸也(たけだ・しんや)
鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学専攻准教授。専門は、臨床心理学、認知行動療法。「生きづらさを抱えた人が生まれてきてよかったと思える社会の実現」をコンパスとして、その方向にそって自分にできることを進めている。最近は、自分のもつ弱さをかわいく思える技の開発に励んでいる。著書に、『マイナス思考と上手につきあう認知療法トレーニング・ブック』(遠見書房)、『対人援助職に効くストレスマネジメント』(中央法規出版)など。