(第2回)自他尊重のコミュニケーションを育てる

みんなのストレス波乗り術(竹田伸也)| 2020.10.21
ストレスをなくそうとするのではなく、しなやかに対処する。海に浮かぶ発泡スチロールの船のように、大波にあらがうのではなく、波に乗って飄々とやりすごす。“波乗り”こそ、ストレスとつきあう一番の方法です。“みんな”のこころを楽にするストレスの波乗り術を、臨床心理学を用いてやさしくお伝えします。

(毎月下旬更新予定)

マスクがない!

「いい加減にしろよ!」
「ふざけんなコラッ!」

……のっけから、乱暴な言葉を失礼しました。よく知らない相手からいきなりこんなふうな言われ方をすると、怖いですよね。

こうした乱暴な言葉づかい、実はコロナ禍によってマスクの欠品が続いた全国のドラッグストアで、一部の客から店員に向けて発せられたようなのです。ニュースで実情を語っていた店員さんの「本当に怖いのは、ウイルスじゃなくて人間です」という言葉が、いまも僕の脳裏に残っています。

さて、今回は、「コミュニケーション」を通して、ストレスの波乗り術についてお話ししてみたいと思います。

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竹田伸也(たけだ・しんや)
鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学専攻准教授。専門は、臨床心理学、認知行動療法。「生きづらさを抱えた人が生まれてきてよかったと思える社会の実現」をコンパスとして、その方向にそって自分にできることを進めている。最近は、自分のもつ弱さをかわいく思える技の開発に励んでいる。著書に、『マイナス思考と上手につきあう認知療法トレーニング・ブック』(遠見書房)、『対人援助職に効くストレスマネジメント』(中央法規出版)など。