(2)子どもへの関わりかた(野坂祐子)

特別寄稿/いま、子どもの育ちを支えるためにできること| 2020.04.30
特別寄稿:いま、子どもの育ちを支えるためにできること

新型コロナウイルス感染症が猛威を振るうなか、多くの子どもたちが不安を感じながら家庭で過ごしています。臨床心理士として児童福祉領域や学校現場で活動する野坂祐子先生(大阪大学大学院)に、子どもへの関わりでおとながこころがけるべきポイント、「トラウマインフォームドケア」の視点などについて解説いただきました。

子どもの気持ちを聴く

ストレスをかかえる子どもたちに、身近なおとなができることはたくさんあります。

まず、パンデミックの状況下において、ストレスを感じるのはあたりまえのことだと理解しておきましょう。子どもだけではなく、だれもがストレスと無縁ではありません。苦痛であるかどうかにかかわらず、生活や環境が変化するだけでもストレスになるからです。

子どもがイライラしたり、赤ちゃん返りをしたり、反抗的な態度を示したときは、「どうしたの?」と子どもの気持ちを聴きながら、「そうなっちゃうのも無理ないよね」と応えることができます。ストレス反応が起こるのは、悪いことでも弱いからでもありません。「こんなときには、だれでもいつもとちょっと違う」というストレスのしくみを、子どもと一緒に再確認しましょう。

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野坂祐子(のさか・さちこ)
大阪大学大学院人間科学研究科准教授。臨床心理士、公認心理師。専門は発達臨床心理学とジェンダー学。主に、児童福祉領域や学校現場において、性被害・性問題行動などへの介入実践・研究を行う。著書に『トラウマインフォームドケア:“問題行動”を捉えなおす援助の視点』(日本評論社、2019年)ほか。