鼎談:経済学でキャリアを創る(経済セミナー2020年4・5月号)

特集から(経済セミナー)| 2020.03.30
経済セミナー』の特集に収録されている対談・鼎談の一部をご紹介します.

(奇数月下旬更新予定)

政策やビジネスの現場で経済学の専門知識をもつ人材が注目され、修士号・博士号取得後のキャリアも多方面に広がりつつある。本号では、年代もキャリアも性別も異なる 3 名に、それぞれのご経験を語っていただいた。経済学の知識がプロフェッショナルとしての可能性をどのように広げてきたかを感じてほしい。

それぞれのキャリア

— 本日は、皆さまがこれまでのキャリアをどのように歩んでこられたか、その中で経済学の専門知識がどのように活かされてきたかをお話いただきたいと思います。まずは、皆さまのこれまでのご経歴から教えてください。

西尾 世界銀行開発金融担当副総裁の西尾です。私は 1983 年に一橋大学経済学部を卒業し、その後 5 年間は渡辺先生もおられた海外経済協力基金(現・国際協力機構:JICA)に勤務し、主にビルマ(現・ミャンマー)と韓国を担当しました。その際に、ビルマの開発問題について経済学に基づいて真剣に調査・議論する機会を得ました。この仕事に非常に魅力を感じ、こうした取り組みをさらに突き詰めてやっていきたいと考えて、世界銀行に移りました。世銀には 1988 年に入行し、現在まで 31 年間、本部のあるワシントン D.C. を中心に、各国を飛び回りながら働いてきました。

最初はプロジェクトファイナンスで、インドネシアの農村開発を担当しました。その後、中国の開発計画立案や先方との交渉、南アジアの開発戦略のとりまとめなど、さまざまな業務を担当しました。現場での実務を経て、近年はマネジメント業務を中心に担っています。一時は EFI という世銀のエコノミスト集団のリーダーも務め、2019年 2 月からいまのポジションに就きました。

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