(第3回)民事調停手続を利用してみませんか(2)

民事弁護スキルアップ講座(中村真)| 2020.03.19
時代はいまや平成から令和に変わりました。価値観や社会規範の多様化とともに法律家の活躍の場も益々広がりを見せています。その一方で、法律家に求められる役割や業務の外縁が曖昧になってきている気がしてなりません。そんな時代だからこそ、改めて法律家の本来の立ち位置に目を向け、民事弁護活動のスキルアップを図りたい。本コラムは、バランス感覚を研ぎ澄ませながら、民事弁護業務のさまざまなトピックについて肩の力を抜いて書き連ねる新時代の企画です。

(毎月中旬更新予定)

前回に引き続き、今回も弁護士という立場、視点から民事調停手続の実相に迫りたいと思います。

1 はじめに

前回は、民事調停手続の概要を説明した上で、その使い勝手の良さと使いにくさについて触れてみました。

特に、「民事調停が使いにくい」という部分については、多くの弁護士(特に若手の弁護士)にとって、民事調停手続があまり知られていないこと、場合によっては正しく理解されていないことが原因の一つではないかということも指摘させて頂きました。

以下では、前回述べた調停手続の構造的な問題・課題からさらに踏み込んで、注意しておくべき点や一般の弁護士にありがちな民事調停手続に関する誤解について取り上げます。

2 民事調停手続についてよくある誤解と留意点

(1)請求金額(訴額)について

調停手続に対する非常に初歩的な誤解に、「紛争の価額が140万円以下の事件にしか使えないのではないか」というのものがあります。

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中村真(なかむら・まこと)
1977年兵庫県生まれ。2000年神戸大学法学部法律学科卒業。2001年司法試験合格(第56期)。2003年10月弁護士登録。以後、交通損害賠償案件、倒産処理案件その他一般民事事件等を中心に取り扱う傍ら、2018年、中小企業診断士登録。現在、民事調停官として執務する傍ら、大学院生として研究にも勤しむ身である。

著者コメント 弁護士の民事弁護スキルアップ講座の第3回目となる今回は、前回に引き続き、民事調停手続を取り上げ、弁護士として押さえておくべきポイントを中心にご紹介しました。