(第6回)「コトバ」のノロイ

子育てのノロイを解きほぐす―発達障害の子どもに学ぶ(赤木和重)| 2020.02.12
「〇〇ができないとダメ!」「みんなと一緒でないといけません!」「子育て、かくあるべし!」……そんな子育ての“ノロイ”に、気づけばとらわれていませんか? 発達障害の子どもとかかわる心理学者の優しいまなざしが、私たちにかけられたノロイをやわらかくしていきます。

(毎月上旬更新予定)

最近、息子は、サランラップの芯をいたく気に入っています。そして、二人で遊んでいるうちに、なぜか、私が尻を突き出して、息子を挑発し、私のケツを叩かせるという謎な展開になりました。

小学校低学年の力とはいえ、何度もケツを叩かれるとやはり痛いものです。息子も慣れてきて、スナップをきかせるようになります。あまりにも痛かったので、お尻が腫れていないか心配になり、半ケツになって、息子に確認してもらいました。幸い、大事には至っていませんでした。しかし、確認後、さっきまでノリノリだったはずの息子が、「そういうこと(ケツの腫れの確認)は、一人でやってくれないかな」と真顔で言いました。

半ケツをさらした以上に恥ずかしくなってしまいました……。つらい……。

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赤木和重(あかぎ・かずしげ)
神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授。専門は発達心理学、インクルーシブ教育。同時に、保育・学校現場に入り、子どもや教師の姿に感動し、それを理論化する仕事をしている。著書に『アメリカの教室に入ってみた:貧困地区の公立学校から超インクルーシブ教育まで』(ひとなる書房)、『目からウロコ!驚愕と共感の自閉症スペクトラム入門』(全国障害者問題研究会出版部)など。現在、わが子とのポケモンカードバトルに夢中。