裁判員裁判・この人間的なるもの:10年間の実施状況からあらためて考える(飯考行)(特集:裁判員制度の未来)

特集から(法学セミナー)| 2019.09.18
毎月、月刊「法学セミナー」より、特集の一部をご紹介します。

(奇数月中旬更新予定)

◆この記事は「法学セミナー」777号(2019年10月号)に掲載されているものです。◆

特集:裁判員制度の未来

裁判員制度がスタートして、2019年5月で10年を迎えた。この間、約9万人の国民が、裁判員として刑事裁判に参加した。
審理の長期化や辞退率の上昇などの課題が浮き彫りになる一方で、裁判員経験者に対するアンケート結果によれば、裁判員として参加したことが「非常に良い経験」または「良い経験」だったと回答した割合は、施行時から一貫して95%を超えている。
そうしたなかで、裁判員の目線からこの10年を振り返るとともに、同制度の未来について考えてみたい。

――編集部

裁判員裁判・この人間的なるもの:10年間の実施状況からあらためて考える(飯考行)

1 はじめに<h/2>

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(以下、裁判員法)が、2009年5月に施行されて10年が経過した。同法にもとづき、裁判員裁判では、20歳以上の国民が衆議院議員選挙人名簿からくじで裁判員に選ばれ、原則として裁判官3人と裁判員6人が罪の重い刑事事件の裁判を担当して、被告人の有罪・無罪と有罪の場合の刑を決める。

裁判員制度は、もともと、司法への国民の理解の増進と信頼の向上の趣旨で提唱された。しかし、実施過程で、そうした形式的な文言にとどまらない様々な影響を、刑事裁判内外に及ぼしてきたように見受けられる。本稿では、実施10年を経た裁判員裁判のこれまでを振り返り、あらためて裁判員裁判とは何かを検討したい。

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