定型化された事実を説明する際の異時点間と世代間の消費の代替の弾力性の分離

海外論文サーベイ(経済セミナー)| 2019.03.29
 雑誌『経済セミナー』の "海外論文Survey" からの転載です.

(奇数月下旬更新予定)

Córdoba, Juan Carlos and Marla Ripoll, “The Elasticity of Intergenerational Substitution, Parental Altruism, and Fertility Choice”, Review of Economic Studies, forthcoming.

西村仁憲

$\def\t#1{\text{#1}}\def\dfrac#1#2{\displaystyle\frac{#1}{#2}}$

はじめに

多くの先進国では少子高齢化が現在急速に進行中であり、それに伴って税収に対する社会保障費率の急上昇が財政を圧迫し、社会保障分野以外の部分にも深刻な影響を及ぼしつつある。特に日本の少子高齢化は深刻であり、出生数を増加させるためにどのような対策が有効な効果を持つかという点は、政府にとっても関心事であろう。出生行動と子育て環境の整備状況などの関連を調べた先行文献は存在し、日本の出生率に関する最近の研究としてはFukai (2017)がある。今回は出生行動に関連した研究であるCórdoba and Ripoll論文を紹介しよう。

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